眠る王祿 純米吟醸酒

なめろうでは無いがなめろうのようなものである「あじの薬味和え」。なめろうの名称の由来には「叩くことでなめらかな舌触りの食感から」と「皿についた身まで舐めるほど美味しかったから」という説などがある。調理方法はおろした青魚に味噌、お酒、ネギ、シソ、ショウガ、ミョウガなどをのせ、包丁を使って粘りが出るまで細かく叩いたもの」をなめろうと言うようです。

という事で上の写真の料理は「なめろうのようなもの」ではあるが、「なめろう」と呼ぶには具が細かく無いようです。味噌は麹(こうじ)をつかい薬味に大根の千切りと大葉のみじん切り、ミョウガの柵切りが加わっています。どうみても叩いておらず、和えているだけのようです。お味はと言うと味噌による甘みと言うより、麹を使っているので酸味が立っています。更に大根の千切りもさっぱり感を引き出しています。要するに「あじの薬味和え」なのです。

2016年のお酒を2018年に頂く

二年間熟成したように思ってしまうが、実際は1年ちょっとと考えてもらった方が良いでしょう。それではこのお酒は古酒なのか?と言うと…、なんとも言えない。古酒のように酸がひねたようなヨーグルト感は無い。味は熟成されて濃厚で旨口な純米吟醸酒。本来なら2017年の春の酒開きシーズンに飲むのが理想なのでしょうが、ここ王禄酒造さんは、タンクのお酒を上槽後、ブレンドや濾過などをせずに(火入れも極力しないそうです)瓶詰めし、低温で瓶貯蔵をするそうです。そして味が整い次第に発売!というスタンスをとっているそうです。なので1年くらい低温熟成した方がより洗練されたお酒になるのでしょう。

タイムカプセルから出てきたようなお酒

実際に飲んでみても先に書いたように濃厚で旨みたっぷりのお酒に仕上がっています。香りは上品な吟醸香はするものの古酒のような芳醇さはありません。言わなければ新酒と言っても通るぐらいキレのあるお酒です。これも低温瓶貯蔵の成せる技。なにしろ火入れをせずに「生原酒」として醸造出来るのですから管理力すごい!まるで1年と言う時間を飛び越えてやってきたような新鮮なお酒だ!(←ちょっと言い過ぎたか!!)

醸造元/王祿酒造 有限会社
精米歩合/50%
使用米/東出雲町産山田錦100%
アルコール度数/17.5度
日本酒度/+3.9
酸度/2.2

商品名/王祿 純米吟醸 無濾過生原酒

たら白子ぽん酢と山形正宗

美味しい白子の条件は▶形がしっかりしている。▶溶けてデロンデロンになっていない。▶もちろん臭みが無い(パッケージされているとどうしようもない)。▶白くてつやつやしている。と言ったところでしょうか。でも一番手っ取り早いのは魚屋さんで白子ポン酢にして食べられるやつを下さい!と聞いてみるのが確実です。

美味しくいただくにはまず①調理ばさみで一口大にカットし、塩をひとつまみ振り優しく塩もみします。臭みとヌルッとした膜を取るためです。ある程度揉んだら、②水でぬめりを流します。③次にお湯で軽く湯通し。④そして冷水でしめ、ザルに移したら白子の下ごしらえ完了です。⑤キッチンペーパー等で水分を取ります。テリテリでプリプリです。

あとは白子を器に盛りつけて、薬味等を乗せ、ポン酢をかければ出来上がりです。簡単ですね!さらに楽にいただく方法は、美味しいお店で出てきたものをいただく事です。今回の薬味はネギと辛味大根です。この辛味大根がまた美味しいんです。白子の甘みを引き出してくれます。そして万能日本酒「山形正宗」でキューっと行きましょう。

出たぁ!万人受けする美味さ!今回は新米酒でうすにごり。(実は2杯目)いわゆる「あらばしり酒」。新鮮でフレッシュ(←あっ!同じ事を言っている)みずみずしいバナナなお酒に仕上がっています。フルーティってやつです。バナナなのに甘ったるくは無く純米吟醸らしい旨みも出ている。のど越しに酸がキレキレに通過していきます。そして♬飲んだら〜こーゆーよ!「クゥーッ」♬とにかく山形正宗は単独でも美味しいのに料理の味も引き立ててくれる二刀流の使い手です。主役も脇役も演じきれる名バイブレイヤーです。松重豊です。

醸造元/株式会社 水戸部酒造
精米歩合/50%
使用米/山形県産出羽燦々100%
日本酒度/+2
酸度/1.6
アルコール度数/16度

商品名/山形正宗 純米吟醸 うすにごり

山形正宗 純米吟醸 うすにごり

安定のうまさ!山形正宗に不味いものなし!

それぐらい信頼のできる美味しさを保っていますね。定番酒のうまさはもちろんですが、新酒米で造られた新酒もやはり間違いなく美味しかった。定番のコメントですが、フルーティー!柑橘系じゃなくてバナナのような香りと旨味の味わいです。またまた定番のコメントですが、ジュースです!もちろん甘ったるいバナナジュースでは無く、キレのあるフレッシュな飲み口です。のど越しの酸による切れ味が「名刀正宗」のように品位ある圧倒感でスパッと切り込んでくれます。「名酒正宗」うまし!

 

醸造元/株式会社 水戸部酒造
精米歩合/50%
使用米/山形県産出羽燦々100%
日本酒度/+2
酸度/1.6
アルコール度数/16度

商品名/山形正宗 純米吟醸 うすにごり 生酒

 

◆ブリの漬け

たぶんブリだと思う。ヒラマサにしては赤いし、いや、はまちかな?…はまちかもしれない。

牡蠣の酒蒸と南

南 無濾過 純米中取り

醸造元/有限会社 南酒造場
精米歩合/60%
使用米/松山三井100%
日本酒度/+8.0
酸度/1.7
アルコール度数/16〜17度

商品名/南 無濾過 純米中取り

 

◆小松菜と厚揚げの煮浸し

立ち呑みワインVINTAGE 24

 飲み屋めぐりの日々。

*ここでは美味しいお酒を飲ませてくれるお店をおせっかいに紹介をして行こうと思います。

アイルランドのギネスの黒ビールが好きでいろいろなお店で飲んでいました。そのギネスに「キルケニー」という赤ビール(正確にはアイリッシュレッドエール)があり、以前このお店でサーバーのキルケニーを飲ませてもらえた。天満に寄る事があれば必ずと言って良いほど伺っていました。数年前に撤退されてしまわれて、僕も足が遠のきました。

ワインが嫌いなわけでは無く、よくわからないのです。「なんか美味しい感じ」とか「美味しいような気がする」って感想しか出来ないのです。赤に関しては苦手といってもいい。たまに飲めるものもあるのですが、覚えられないくらい名前が難しい。

それでもこのお店にふらっと入るのは「人」です。お店の可愛らしい女性と仕事終わりにやって来る旦那さんの器量の良さと屈託の無い笑顔が引きつけるのでしょうね。でもってお客さんも良い感じに気さくな方が多いですね。ワインのうんちくを語らず、世間話で盛り上がってるところがワインという敷居の高さを下げてくれているんだと思う。

ワインの味は説明できないので今回は写真と素人以下のおバカコメントでお楽しみください。

Asconi Exceptional Chardonnay
アスコニ エクセプショナル シャルドネ

シャルドネって聞いた事あるキーワードだ!あとはほとんどドラクエのパスワードだ。*いやドラクエに比べたらあまりにも簡単すぎるか!

◆鴨の燻製バルサミコ酢

インスタ映え!もちろんお箸で頂く。これが立ち呑みの気楽さです!

Pampas del Sur Torrontes
パンパス・デル・スール・トロンテス

お店の方が「柑橘系の味がする、ぶどうで出来ているのにね。フシギやね!」って言ってた。*これは呪文だ。ハリーポッターでハーマイオニーが言っていたような気がする。

◆いちじくバター

いやぁ、ワインとその肴は写真が映えるねぇ。

立ち呑みワインVINTAGE 24
JR環状線天満駅の北側の細い通り道を少し行った所にあります。*3本ほど細い道があるので迷いながら探してください。

冬はやっぱり粕汁。

粕汁って全国的にポピュラーのものだと思っていたのですが、関西の酒造地域から広まった料理のようですね!ただ、酒造や蔵元の多い東北圏ではもともと食べる習慣が無かったそうな。東北では麹の入った味噌で味噌汁を作るが一般的だったそうです。今はテレビなどの影響で全国的に拡がってしまっているという事。この話を聞いて驚いたのを覚えている。

*粕汁の具はその家庭によって違うのでしょう。鮭やぶりなどの身を入れるのは良いのですが、あらを入れるのが少し苦手。出汁は出るので美味しくなるのですが、骨を避けるため最後まで、きれいに飲みきれないのです。気をつけながら飲まないといけないのがちょっとね。それ以外は何が入っていてもいいのですが、きざみ油揚げは入れておいて欲しい!

皆さん、飲み屋さんで粕汁は暖まるために最初に頼みますか?それとも〆に頼まれますか?

西堀工房「袋取しずく」純米無濾過生原酒

醪(もろみ)を入れた酒袋を袋吊りにし、無圧で搾ったお酒。(←いや「搾る」とはおかしな表現です。袋やお酒の重みで自然に染み出て来る状態のものです。)いわゆる「あらばしり」。精米歩合が70%とお米を削っていないのに…純米酒扱いなのに…。もう純米吟醸クラスのきれいでまろやかな味わいです。おまけに新米らしくフレッシュでキレものど元にキュッと来ます。やっぱりこの時期(新米)のお酒は美味しいですね!

醸造元/西堀酒造 株式会社
精米歩合/70%
使用米/栃木産酒造好適米 栃木14号100%
日本酒度/+7.0
酸度/1.7
アルコール度数/17度

商品名/西堀工房「袋取しずく」純米無ろ過生原酒

黒い三連星,再び

ネットの検索でお酒のスペックを調べるために「三連星」「2018」と入力したら出てきた。↓やっぱりね!まあ仕方が無い、ここから名前が付けられたものですからね。それにしても2018年度版のトリプルドムは精巧に出来ていますね。って言うかザクですよねこれ ↓どういうこと?リックドムじゃないの?別の作戦?「トリプルザク」って事?もうおじさん、ついて行けません。

本題に戻ります。三連星の純米直汲み。まさに黒い三連星です。ちなみに純米大吟醸は赤い三連星、純米吟醸は白い三連星です。そしてこの時期だけの限定酒で新酒です。おっ新酒のせいなのか微発泡ピチピチしています。これは旨い!

いつもは少し濃厚なコクがあるのですが、これは爽やか!フレッシュ!トロピカル!もちろんのど越しの酸のキレは十分味わえます。いわゆるジュースです。もぎたてトロピカルジュース!これだけで楽しめます。

少し気になる事が…。帯に表記されている「2018」の文字。本来日本酒はお米が作られた年を表記されています。2017年に造られたお米を使って2018の秋にお酒を出荷した場合でも2017BYと表記されるのですが、なぜか2018と次の年の表記がある。(このお酒を飲んでいる時点で2017年の12月)この「2018」が何を意味しているのか誰か教えていただきたい!

↑で、質問を蔵元さんにしたら返事が返ってきた。↓以下のような内容です。

通常は酒造年度「平成29BY/2017BY」(BY=Brewery Year)として平成29年7月1日から30年6月30日までを表すのに使いますので、正式名称は「三連星 29BY純米無濾過生原酒」となります。

しかし、三連星の年度切り替えの基本は三連星三種類が出そろう3月1日からとさせていただいており、表への表記は年度切り替えを行った西暦で表示しております。(←つまり蔵元さん独自の表示方法って訳ですね。2018年に販売されるお酒は2018年と表記するって事です。なので「BY」と表記せず「vintage」としているのですね)

しかし、昨今残念ながら一部の酒質が年度切り替えを待たずに先行して品切れを起こす事態となっており表記年号に狂いが生じ始めてきております。そこで、年度切り替えを行う前に先行して発売する「三連星 純米(黒)直汲み」は年の変わる前に発売するものの中のお酒は年が変わって2018年3月より年度を切り替えるため前年度のお酒と区別をつける目的で先行した年式にしております。(←お酒が人気って事です。3月まで在庫が持たないので仕方なく新年度のお酒を卸しちゃったって事です。飲めないよりは良い判断だと思います。)

現在レギュラータイプのお酒で2018年を表示しておりますのは「三連星 29BY純米吟醸(白)無濾過生原酒」がございますが、こちらは28BYのお酒が欠品し、やむなく年度切り替えを待たずに発売しているためであります。他の純米・純米大吟醸は3月より2018年のお酒に切り替わります。(*解決方法は品切れにならないように数を増やすしか無いのでしょうが、それによって品質が下がるのは考えものです。気長に待っておりますので、これからも美味しいお酒をよろしくお願いします。)

ふたたび、話は逸れるがこんなのもあるだよ!黒い三連星「トリプルドムとうふ」。ガイア、マッシュ、オルテガの3人による「ジェットストリームアタック」時の攻撃態勢をモチーフとした3種のパッケージで、濃厚な豆乳クリームを使用した、マイルド、ビター、ミルクの三位一体型チョコレート味豆腐の攻撃だ!一体どこにいけば買えるのだろう!君は食べる事が出来るか!

製造者/美冨久酒造株式会社
精米歩合/60%
使用米/滋賀県産銀吹雪100%
アルコール度数/16度
日本酒度/+5.5
酸度/1.6

商品名/三連星 無濾過生原酒 純米直汲み

 

◆たこと菜の花の辛子酢味噌和え

辛子酢味噌和えは時として日本酒を邪魔してしまいますが、お酒をリセットするのにはいいアクセントになります。

インスタ映え?

茶色い飲み物に茶色い料理。映えない!どのアングルから写真をとっても…映えない!こう言う時は皿を伊万里焼とか九谷焼にしてみたらどうだろう!でも美味しい♩料理名はたしか「長なすと鶏そぼろあんかけ」だったかな?

七本槍 純米活性にごり酒

が、日本酒のジャケットはシンプルだけどかっこいい。映えます。「純米酒」の文字が象形文字ってほどでは無いがスタイリッシュだ。これからは「純」と言う字はこう書いてみよう!「酒」もなんか良い漢字♬味の方も「映えます」。ニゴラーの自分としては待ってましたぁ!の「活性にごり酒」。

モロミたっぷりな見た目ですが、ベタベタしてなく甘味は控えめで辛味の方が強く、濃厚だけどサラッと飲める、まさしく「純米・活性・にごり酒」です。「上澄み」を頂きたかったのですが、すでに開封されており、混ざった状態でした残念。

七本槍の由来

七本槍の名前は「賤ヶ岳の七本槍」に由来しています。賤ヶ岳の七本槍とは「本能寺の変」の翌年天正11(1583)年、信長の跡目をめぐって羽柴(豊臣)秀吉と柴田勝家が戦った「賤ケ岳の戦い」で勇猛果敢な働きによって秀吉を勝利へと導いた七人の若武者、加藤清正・福島正則・片桐且元・加藤嘉明・脇坂安治・平野長泰・糟屋武則を指し、後世に讃えています。この賤ケ岳の戦いを機に秀吉は一気に天下人への道を突き進むのです。七本鎗は「勝利の酒」「縁起の良い酒」として喜ばれています。*その他にも「小豆坂の七本槍」「蟹江七本槍」など、それぞれの七本槍があるようです。

北大路魯山人も愛した七本槍

大正初期に長浜を訪れていた魯山人(当時は福田大観)が逗留し、篆刻(てんこく*今で言う落款、印鑑の類い)を残しています。それが今の酒造のロゴやラベルになっています。

 

醸造元/富田酒造 有限会社
精米歩合/麹米60% 掛米60%
使用米/滋賀県産玉栄100%
アルコール度数/16度
日本酒度/未表記(個人的には+6)

商品名/七本槍 純米活性にごり酒 冬季限定

篠峯と篠峯

まずは【山田錦 超辛 無濾過生原酒】を頂く。その前に、蔵元のアピールコメントを記載。「発酵を強めに進め、甘みを減らした純米無濾過生原酒です。旨味を残しつつ透明感のある辛口のお酒です。」とのこと。なるほど発酵を強めに進めると甘みが減るんですね。

うん。辛口です。ですが、+10までの辛口には感じなかった。あん肝を食べながら頂いたせいか、瓶の底の方だったせいかもしれません。うすにごりのようなのでピチピチしているかとも思いましたが、そうでも無いようでした。(これも瓶の底部分のせいかも!)たしかに甘みはほとんど無く、雑味というか苦味というのか、荒さがありました。こういうのが好きなのです。雑味は旨味を引き立ててくれるいい脇役です。あん肝の旨味も引き立ててくれます。*ちなみに超辛を越えた「極辛」っていうのもありますよ。

醸造元/千代酒造 株式会社
精米歩合/66%
使用米/山田錦100%
アルコール度数/17.2度
日本酒度/+10

商品名/篠峯 超辛 無濾過生原酒 山田錦

 

次に頂いたのは【篠峯 純米生原酒 うすにごり】新酒です。これも底の方のお酒でしたが、注がれたコップに気泡が踊っております。プチプチでシュワシュワです。香りと口に含んだ時に軽く甘い香り、先ほどの超辛が口に残っているのか甘く感じる。仕込み水で口をリセットしよう。すこし辛味が出てきた。たぶん、酸味とガス感がそうさせているのでしょう。肴のウナギの肝焼の苦味をシュワシュワが洗い流してくれる。そしてまた食欲がそそりだします。とてもいい食物連鎖だ。

醸造元/千代酒造 株式会社
精米歩合/65%
使用米/五百万石(麹米)吟風(掛米)
アルコール度数/17〜18度
日本酒度/+2.0
酸度/2.0

商品名/篠峯 純米生原酒 うすにごり