吾有事と書いてなんと読む?

山形県の奥羽自慢より、新銘柄「吾有事(わがうじ)」が誕生しました!

「吾有事」とは、曹洞宗の開祖 道元禅師の言葉で、自分の存在と時間との一体感を表す意味だそう。酒造りにおいて、経過する時間や自分の存在を忘れるくらい没頭して造った酒という意味合いが込められているそうです。

このお酒誕生のエピソードを書いておきます。

「奥羽自慢」蔵元の佐藤仁左衛門(にざえもん)酒造さんは場後継者不足と経営難から休業していたそうです。
同県の楯の川酒造さんが「300年続く老舗をこのまま閉じてほしくない」と、再建に向けた支援に乗り出し復活。文字で書くとあっという間の再建したみたいに思えますが、一度閉じた酒蔵を復活させるのは至難の業です。紆余曲折を経て25BYから再始動。造りは若手を中心に行い、従来の奥羽自慢とはまったく異なる新しい酒質で勝負する事に。

29BYより新体制で動き出し、新ブランド「吾有事」を立ち上げる事になります。*残念ながら従来の「奥羽自慢」商品は終売となります。が、新・奥羽自慢として復活!!←まだ飲んだこと無いのでぜひ、飲んでみたい!

改めて「吾有事」とは、曹洞宗の開祖・道元禅師の言葉で、自分の「存在」と「時間」との一体感を表す意味。酒造りにおいては、経過する時間や自分の存在を忘れるくらい没頭して造ったという意味合いを込めているそうです。そしてラベルには、狼煙に見立てた力強い「吾」の一文字!満を持して「反撃の狼煙(のろし)を上げる」という意味合いも込められているそうです。(*梵語みたいでかっこいいですね♬)若手にシフトして始動した奥羽自慢株式会社、これからが楽しみです。

そして記念すべき第1作品は、新酒「純米吟醸 初絞り生」!

日本酒度が−8なのでかなり甘いお酒なのかと思いましたが、違った!香りは柑橘系でフレッシュな果実香。飲み口の甘みは優しく、透明感のある甘み。優しいコクと旨味も感じる。でも後味に穏やかですが酸が効いていてキレがあります。まさしく、新鮮フレッシュフルーツを食しているような感覚。

製造元/奥羽自慢 株式会社
精米歩合/55%
使用米/山形県産出羽燦々100%
アルコール度数/16度
日本酒度/−8.0
酸度/1.3

商品名/吾有事-わがうじ- 初絞り生

 

◆鶏とトマトソース煮込み(仮)

料理名忘れました。見た目はイタリアンですが、和風な味付けです。

満寿泉 純米吟醸 生 うすにごり

バナナです!これはもうバナナジュースですよ!でも口に含むとメロンです!これはもうメロンジュースですよ!アルコールが入っているのでカクテルと言ってもいい!といって甘ったるいだけではありません!のどごしにはきちんとキレがあり、爽快感もあります。これはアテのいらないお酒ですね!まちがっても肉とかと合わせない方がいいでしょう!*今更ですが、「満寿泉」と書いて「ますいずみ」って読みます。こういう読みにくいお酒は間違うのが恥ずかしいから頼みにくいんですよね!「まんじゅせんくださぁーい!」とか言ってしまう人がいるんですよ!…私だぁー!!

日本酒度の表記がありませんが、確実にマイナス表記でしょう!でも酸度は3.0以上はありそう。使用米の表記が無いのですが、山田錦と雄山錦を使っているっぽい。それと気がつかなかったが、今回「おりがらみ」から「うすにごり」にリニューアルしてるんですか?ラベルが変わったのは気がついたが、そこまで見ていなかった。って言うか「おりがらみ」と「うすにごり」って何が違うの?

製造者/株式会社 桝田酒造店
精米歩合/58%
使用米/国産米100%(山田錦 / 雄山錦らしい)
アルコール度数/17度
日本酒度/非表示
酸度/非表示

商品名/満寿泉 純米吟醸 生うすにごり

◆和牛きんぴら

もちろんきんぴららしくピリ辛な味付けなのですが、肉の甘いこと、甘いこと!おまけにジューシー!きんぴらをここまで肉にこだわるなんて…ステキ!*ちなみに「きんぴら」って「金平ごぼう」の略で、細く切ったごぼうを油で炒め、醤油などで味付けた料理のことなのですが、主役は確実に和牛です。写真を見てもらえば分かりますが、金平は脇役になっております。

生で責めろ!天明 SEMEBLEND

醪を搾る行程を三つに分けて表されます。最初にほとんど搾らずに出てくるものを「あらばしり」、次に搾り機を使ってお酒の一番良い部分を搾ったものを「中取り又は中汲み」、最後に中取りで搾られたあとの部分を「責め」と読んでいます。その「責め」部分をブレンドして生み出されたお酒が「SEMEBLEND」

本来、「責め」部分のみのお酒は出回る事は無く、同じ酒米の醪から出来た「あらばしり」「中取り」「責め」を調整ブレンドして、酒質を均一化し、バランスの良いお酒にするのが正攻法なのですが、これはすごい!色んな酒米のしかも純吟クラスの精米歩合のお酒を「責め」部分だけで構成されている。しかも「夢の香40%の純米大吟醸」って!やるな!天明。いや曙酒造!お燗が好きな方はぜひ、温めて楽しんでみて下さい。ただ、一度は冷酒で飲んでも見て欲しい。さすがは「責め」だけを集めただけの事はあります。

ドライでビターな味わいを楽しめます。が、旨味もしっかり出ている。辛口になるのかなぁと思っていたら意外と柔らかい口当たり。燗でいただくとさらにまろやかな口当たりになるとの事。(飲んでないので、人づてです。)とにかく、意外なおいしさにびっくりです。責めでもこれだけ搾ると美味しくなってしまうのか!(*でも次は「責めっぽい責め」のお酒も飲んでみたい!)

コメント紹介。

凍てつく寒さ、降り積もる雪。時々、照らす太陽の暖かい陽射し。本格的に冬めく、会津の冬。生セメとは、そんな短い季節を楽しむキーワード。中取りシリーズ前半の各セメ(瑞穂黄金65・五百万石60・美山錦55)そして今期は、12月に搾った、純米大吟醸(夢の香40)のセメを貯蔵・テイスティングいたしました。酒質と向かい合い、寒さが深まる季節に思いをはせ、温めて楽しむ事も考えながらブレンドいたしました。←との事。ブレンド比率が乗っていたので紹介しておきます。瑞穂黄金65が3割。五百万石60が3割。美山錦55が2割。夢の香40が2割。←やはり夢の香純米大吟醸の効果がでているのだろうか!?

 

醸造元/曙酒造 合資会社
精米歩合/65%
使用米/会津産瑞穂黄金65・五百万石60・美山錦55・夢の香40
アルコール度数/16度
日本酒度/+1.0
酸度/1.5

商品名/天明 冬めく生セメ SEMEBLEND

 

◆昆布さば焼きとロースハムのシザーサラダ

昆布さばとは昆布だし醤油酒に漬け込んだものを干すことで旨味が凝縮されたさばです。決してそういう名前のさばではありません。それを焼く事で、昆布だしの香りと凝縮したさばの旨味が味わえます。

カッパのさいぼし&きずし&むかご

◆カッパのさいぼし

頼むたびにいつも聞いてしまう。「カッパ」って何?もう3、4回は頼んでいるのに…。その度にお店のマスターが教えてくれる。申し訳ない…。これがまた旨いこと、旨いこと。だから何度も頼むのだが、お店を訪ねるたびにに忘れる。唯一確信していることは「カッパ」では無い!と言うことです。「さいぼし」とは肉の乾物、燻製にしたもののことで、一般的には馬肉の干し物の事を指すようです。

そして「カッパ」は牛の特定の部位のことをいいます。場所で言うと「おなかの皮と脂身の間のお肉」です。皮と脂身の間なので薄っぺらい形をしており、味はカルビに接しているだけあって濃厚な味を楽しめます。そして結構な歯ごたえが楽しめます。正式名は「かっぱすじ」ですじ肉ですから当然なのですが…。噛めば噛むほど、肉の旨味が出るので一石二鳥です。ただここで出されているカッパのさいぼしは薄めにカットして食べやすくしてくれているので、「顎関節症」とかでなければ美味しく頂けると思います。*どこをどうみたらそうなるのか「雨合羽を広げたみたいなかたち」からこの名前がついたそうです。

◆サバのきずし

どうやら「きずし」は関西での言い方のようで、関東では「しめさば」と呼ぶのが一般的なようです。ここの「きずし」はしめ方が浅く、生っぽく頂けるので大好きです。まあ早い時間に頂くからなのかもしれません。(昼の2時くらいから飲んでます♫)夜にはもう少し酢に漬かってしまっているのかも知れませんね。

◆ムカゴの塩ゆで

スタンダードな食べ方です。塩が添えてありますが、そのままでの少し塩味は付いています。ただお酒を飲みながら食べるには岩塩をちょっと付けて食べる方がお酒が進みます。*量が少ないとお思いでしょう。実は…。おまけで頂いたものです。たまに嬉しいサービスをしてくれます。で、お味はと言うと、ほくほくで「やめられない!とまらない!」状態です。山芋なのにネバネバも匂いもなくクセのない美味しさです。それとご存知でしたか?むかごって地上にのびた枝葉(正確には蔓-つる-)の部分に出来るんですってね!てっきり土の中の山芋の周りに小さく出来るものだと思っていました。勉強になるねぇ〜。

◆篠峯 伊勢錦 純米 うすにごり(左)
◆篠峯 Vert 亀ノ戸 純米吟醸 田園ラベルシリーズ「翠」(右)

伊勢錦を使用したうすにごり生原酒。「伊勢錦」ってあまり聞かないけど、やはり神仏系のお米なのでしょうか?ってことでちょいと調べてみました。1849年、多気郡勢和村の朝柄って所に住んでいた岡山友清氏が在来品種の酒米「大和」に品種改良を行い1860年に誕生した酒造好適米。その後、お伊勢参りの参宮街道の頒布所にて無料配布されたことにより、日本各地に広まったと言われています。伊勢錦を使用して醸造した日本酒は香り高い味わいで、瞬く間に評判となり、近畿圏では積極的に生産が行われていたのですが、戦時中の米不足や育てるのが難しかった為、徐々に栽培されなくなり、昭和25年には一切生産されなくなり、幻の酒米と呼ばれるようになったそうな。

まずは篠峯「伊勢錦純米うすにごり」から頂きます。清々しい香りがあり、口当たりの優しいシュワシュワが楽しめます。旨味の中に酸味が広がり、爽やかな飲み心地がいい感じです。食事にぴったり合いそうです。それはそうと、お店の人に「このラベルちょっとした遊びがあるんですよ!わかります?」って聞かれました。残念ながら気がつけず、教えてもらったのが、案山子の顔が「へのへのもへじ」じゃなく「しのしのみねじ」になっているとのこと。しかし、老眼でしかも裸眼だったので全くぼけぼけでどんなに目をこらしても見えず!仕方なくカメラで接写してズームアップで確認させて頂きました。なるほどね ♫ 遊んでますね!帯の部分も何か意味がありそうな結び目ですね。

続いて頂いたのは「Vert-ヴェルト-亀ノ尾田園ラベルシリーズ〈翠〉」。これは美味しい♫もうサイダーいやラムネのように甘い香りとシュワシュワとまでは行かないけど、酸味があって口の中に爽快な旨味が広がっていく。のど越しはスッキリとしたキレがあり、なかなかのお気に入りになりそう!でも限定酒とあるので次飲めるのは来年になるのかも。あるいは今年っきりって事もありえる。限定酒は限定酒でも千日前櫛羅限定ですからね。Velt-ヴェルト-とはフランス語で翠(緑)のことです。篠峯には山田錦で造った純米吟醸にAzur -アジュール-と言う名の青ラベルとblanc-ブランク-山田錦ささにごりというお酒もあった。もう無くなったのかな?飲んでませんが…。

 

******************************************

商品名/篠峯 伊勢錦 純米うすにごり 無漏過生原酒

精米歩合/66%
使用米/伊勢錦100%
アルコール度数/16度
日本酒度/+7.0
酸度/2.3

******************************************

商品名/篠峯 Vert(ヴェルト)亀ノ尾 純米吟醸 無漏過生原酒 田園ラベルシリーズ「翠」

精米歩合/55%
使用米/奈良県産亀ノ尾100%
アルコール度数/16度
日本酒度/+7.0
酸度/1.3

******************************************

製造元/千代酒造 株式会社

 

長珍 新聞紙じゃないシリーズ

◆長珍 純米八反錦60「ささにごり生」

「このお酒は搾ったそのままの味をお伝えするために濾過・割水・火入れなど全く手を加えないで一本ずつタンクより直汲みにて蔵出しをしている」っと親切丁寧にわかりやすく書いて頂いている。日本酒に詳しくなると「純米無濾過生原酒」だけで伝わるのですけど…。でも愛を感じます♡「ささにごり」とは、漢字で書くと「細濁り」つまり「少し濁る」。うすにごりってことです。日本酒度+8.0と辛口ながら純米らしい米の濃厚な旨味が出ているので甘く感じられる。が、のど越しにはきちんと酸が効いている、シャープなキレを楽しめる。それにしても長珍はうすにごりなのに濃厚ですね。

醸造元/長珍酒造 株式会社
精米歩合/60%
使用米/広島県産八反錦100%
アルコール度数/18度
日本酒度/+8.0
酸度/1.8

商品名/長珍 純米八反錦60 ささにごり生

 

◆昆布大根ハムツナ新玉ポテトサラダ

よくよく見るとメニュー名は具材を言ってているだけなのだと気がつく。「マスターの気まぐれサラダ」とか「レイトンさんの誘惑サラダ」とか名前を考えればいいのに…。

◆梅しそレンコンつくね

インスタ映えはしないビジュアルだが、かなり美味しい。たれももちろん美味しいのですが、梅しそを入れることでかなりさっぱりと頂ける。レンコンのサクサクもかなりのポイントアップです。

ハマチのバジルソース

格好良く言い換えれば「ハマチのバジル風カルパッチョ」。レシピは聞いていないので分かりませんが、旨いことは間違いないです。ハマチにバジルソースを絡めて食べるのですが、どうしてもバジルソースが残るのです。パンが欲しい〜とおねだりするが、「ない」との事。このソースを作るときはパンを用意しておいて欲しい!仕方が無いので箸の先につけてはチビチビと舐めて行くしか無い。

津島屋 美山錦 幕開け 純米吟醸 生原酒

酒蔵からのコメントを紹介。

津島屋ブランドの年間を通じてのスタンダード的で、エース的な存在の信州美山錦55%磨きの搾りたて生原酒。今期29BYではメロン的な香り(カプロン酸チエル)を控えめにクリアな食中酒を目標として仕込んでいます。香りが控えめになった分、クリアでライトになった印象で幅広い料理に対応出来るように進化しています。

上品なマスカットやリンゴのような香りが心地よく、瑞々しくフレッシュなリンゴのような甘味を感じます。優しく透明感のある味わい、酸も少なく飲みやすいイメージです。清涼な木曽川を連想させる綺麗な味わいは杯を進めます。冷酒から常温でフレッシュ&クリアな味わいをお楽しみ下さい。*先入観を持たずに飲んで頂きたいので酒質データは非公開とさせて頂きます。

↑それにしても上手いこと表現されますねぇ〜。僕ももっとボキャブラリーを増やして表現してみたい!勉強しなくては!!では僕なりの感想を書かせて頂きます。

「あ〜美味し〜わぁ〜♡」

 

名前に「幕開け」と付いている。御代桜醸造さんのお酒のスタートラインである。おりがらみ部分なので薄く濁っている。ただ瓶の最後の方を頂いたのでかなりの滓が楽しめた。甘み、旨みはもちろんなのですが、いい意味での苦みが濃く感じる。そして、そこそこの辛味もキレもある。信州の美山錦のお米だからかわかりませんが、瑞々しさがあり、スッキリ飲める。(←酒蔵は岐阜ですよ!)非公開だが日本酒度は+7以上はあるのではないでしょうか!

醸造元/御代桜醸造 株式会社
精米歩合/55%
使用米/信州産美山錦100%
日本酒度/非公開
酸度/非公開
アルコール度数/17度

商品名/津島屋 純米吟醸 信州産美山錦 幕開け

誠鏡 純米生原酒 しぼりたて

広島県産の新米を使って仕込まれた新米新酒のしぼりたてです。最初、黄色みを帯びているので、「ひやおろし」か?と肝をひやしたが、間違いなく新酒だ。色がつくと古酒のイメージがあるが、色が透明なのは濾過をしているからなのです。「えっ?無濾過でも透明のお酒あるやん!」となるのですが、実はふたつの「濾」があるのです。

「濾す」と「濾過」

「濾す」とは「醪-もろみ-」の状態のものを圧搾機や袋などで搾られること。液体部分とかす部分とに分離する作業のこと。専門用語で「上槽」といいます。(←知っているように書いていますが、ネットで調べているだけですよ!)

「濾過」には粉末状の「活性炭」を入れて濾過機かける方法(炭濾過)と「活性炭」を使わずに濾過機にかける方法(素濾過)があります。ちなみに活性炭は針葉樹を炭にしたものだそうです。炭には様々な小さな穴があいていて、この穴の大小によって吸着される物質が変わります。一番小さな穴に吸着されるのが「香り」その変化を活性炭で調整しているのです。香り調整用の活性炭より穴の大きなものが、「色・味」の調整用です。使いすぎるといい味や香りも消してしまうので、職人さんの腕の見せ所です。

で、最初の疑問に答えてませんでしたね…。「無濾過なのに透明のお酒あるやん!」の答えは低温でゆっくり時間をかけて発酵させる「吟醸造り」と呼ばれる製法で造ると色は透明に近くなり、独特な吟醸香(いわゆるフルーティ)と淡麗な味わいになるそうです。(←なぜ無濾過の話をした!と攻めないでください。)

ようやくですが誠鏡を頂くことにしましょう。やはり新米新酒ならではのフレッシュな香りとプチプチのジューシー感を味わえます。「ザ・しぼりたて」です。ただ「あらばしり」のような雑味はなく、しっかりした旨味、コクがあります。

製造元/中尾醸造 株式会社
精米歩合/65%
使用米/地元米新千本100%
アルコール度数/16度
日本酒度/−1.0
酸度/1.5

商品名/誠鏡 純米生原酒 しぼりたて

 

◆肉どうふ

やはり寒い日はあったかメニューに限ります。あっさり目の味付けで好みの味です。でもしっかり出汁が出ており、いや具材よりだし汁がメインと言っていい。うまし!

 

悦凱陣 純米吟醸 興

悦凱陣で新酒の初陣「興-仕込第1〜2号」。この時期だけ飲める希少な逸品です。お店の人に言わせると予約できるかどうかも分からないぐらい超人気プレミア酒らしい。よく手に入れましたと褒めてさしあげよう。「興」は製造者の丸尾忠興さんの名前から人文字取ってつけたもの。自信がないと付けられないネーミング。ジャケットはいつもの手描きタイポグラフィだ(←タイポグラフィと言って良いのか?)そこに赤い文字で「うすにごり生」の文字が!それでは丸尾さんの本気をいただくとしましょう。

新年一発目に相応しい一杯目です。(1月4日に飲んでいます♬)まずは注いでもらう。透き通ったとろみのあるお酒だ。「透き通った」って、うすにごりと違ゃうやぁーん!どうみても透明である。さてお味は…。新酒らしくフレッシュで酸味と旨みがしっかり出ている。そしてシュワシュワです。のど越し辺りに荒々しさでキューってなる。よく見ると日本酒度が+12となっている。このあたりがこのお酒の荒々しさを表しているのだろうか!もう「うまいもんはうまい!」としか言いようがない。思わず笑みがこぼれる。

一口目に雑味というか舌の奥あたりに苦みが感じられた。二口、三口と進むにつれ薄れていったが、これが新酒らしさなのかな?もうちょっとでコクと呼べるものになりそうかな?と感じた、でもとても飲み応えのあるお酒です。*これは後で知った情報なのですが、3,4日ほど熟成させれば味が乗ってきてフルーティな香りに熟成されるようです。メロンのようであり、バナナのようでもあるそうです。口に含むと洋梨のような酸味と甘味を感じ、舌の奥でビターチョコのような後味が感じられるようである。

残念ながら、三日後にはもうすっかり飾り物のオブジェと化していました。ああこれが飲めるのはまた12月下旬まで待たないといけないのかぁ。早く来ないかなぁ12月。(*注.普通に仕込5-6号とかは3、4月でも飲めますよ!この仕込1-2号が12月って事です。)

醸造元/有限会社 丸尾本店
精米歩合/50%
使用米/広島県産八反錦100%
アルコール度数/18〜19度
日本酒度/+12
酸度/1.4

商品名/悦凱陣 興(こう)

◆ローストビーフ

絶品!もう何も言えないぐらいうまい!「マルシン」と呼ばれるモモの部分。柔らかい赤身で程よい脂が食欲をそそる。普通に焼くのではなくローストビーフにするあたりが心憎い!本当にいくらでも食べれます。うわぁ、今、無性に食べたくなってきた!!

日本盛はいいお酒 ♫

でも日本盛については何も触れないです(笑)この日は非常に寒かったのでまずは熱燗が飲みたかったのです。暖かいメニューを見つけられず刺身をいただく事にします。しかも寒いぶりと書いて「寒ブリ」を選択。これを食べたからといって身体が冷えるわけでは無い。なかなかの新鮮さで脂も乗って、食感もコリプリだ。熱燗にはピッタリの肴です。理想を言えば「たまり醤油」が欲しかった。でもわさびはちゃんと香り、風味のあるわさびで美味しかった。わさびは醤油に解いて食べてはだめって知ってました?風味や香りが醤油に負けて飛んでしまうのだそうです。刺身のネタの上に乗せて、醤油に付かないようにして食べるとより一層、肴を美味しくしてくれます。

◆クラシック仙禽(せんきん)無垢

さあ、ここからが本番です。まずはお酒の説明をしておこう。「クラシック仙禽無垢」は全量山田錦を使用したお酒。仙禽では「ドメーヌ」化した酒米を使用。このお酒の「山田錦」ももちろんドメーヌ化されています。ん?だからドメーヌって何?とりあえず、ラベルの裏に記載されていたドメーヌの説明を書いておきますね。

ドメーヌ

仙禽はすべての原料米に対してドメーヌ化を行いました。蔵に流れる地下水(仕込水)と同じ水脈上にあるたんぼだけに限定し、原料米を作付けします。仙禽にとって、その米は最良のマリアージュを約束します。クラシックシリーズは早期の火入れ処理を行う事によりクラシカルに。

無垢とは

金や銀など混じりけが無い事、素朴である事を意味します。仙禽において金や銀は『亀ノ尾』や『雄町』であり、素朴な定番は『無垢』であります。華やかな吟醸香、美しくスマートな酸、デリシャスな味わいをお楽しみください。

↑ですって!理解できましたか?ちょっと仙禽さんイチビッちゃいましたね。フランス語や英語を使えばオシャレで格好良くなると思ってしまったでしょうか?大事なところでカタカナ使いすぎて素人には理解し難い。なので、ソシャクしてみます。

ドメーヌは英語でドメイン。つまり所有地や住所の事とリカイしてみます。要するに他所から酒米を購入せずに栃木の土地と水で、種から育て地産した酒米ですよ!って事が言いたいのですよね?で、その出来た酒米が仙禽によって最良に調和(マリアージュ)したお酒になる事、間違いないですよ、みなさぁーん!そしてクラシックシリーズは搾ったお酒をいきなり斗瓶に取り分けて瓶のまま加熱処理を行ないますが、加水やアルコール添加もしていないお米の素材を活かした、混じりけの無い純米を老舗ならではの技術で安定して美味しい日本酒に仕上げます!デリシャスですよ!←って事でいいでしょうか?

あと「クラシック」と「クラシカル」をわざわざ使い分けているので訳しておくと、「クラシック」は「名作、傑作」などの意味。「クラシカル」は100年単位の古い作品を指し「古典」と訳されるようです。蔵元仙禽さんは栃木県に蔵を構え、創業200年を超えるので正しい訳され方と言っていいでしょう。

 

醸造元/株式会社 せんきん
精米歩合/麹米40%、掛米50%
使用米/ドメーヌさくら山田錦(栃木県さくら市産)
アルコール度数/15度
日本酒度/非公開
酸度/非公開

商品名/クラシック仙禽 無垢