九条ネギと里芋のキノコ煮

具だくさん。もうこれだけでお腹いっぱいになる。煮物と書いているが、だし汁があるので「九条ネギと里芋のキノコ汁」です。おまけに、大根、にんじん、糸コンまで入っている。あっさりした出汁なので素材の味がにじみ出てくる。メインは里芋とキノコかもしれませんが、九条ネギが甘くてシャキシャキ。この肴なら日本酒がさらに美味しくなること、間違いない。

古伊万里前 tranquilo 純米吟醸

「こいまりさき トランキーロ」と読む。久しぶりのひやおろしじゃないお酒。と思ったのですが、どうやら半年寝かした熟成酒のようだ。ひやおろしの表記はないが、この「トランキーロ」はスペイン語で「落ち着いて」って意味。言い換えれば、「焦らずじっくり熟成させて」と言うことです。まだ新酒までは時間がかかるようです。

それはさておき、「古伊万里前」のお味ですが、以外とフレッシュに味わえてしまいました。熟成感はなく、しっかりした旨みと酸味がのど越しをすっきりと過ぎていきます。すごくバランスよく造られたお酒です。出身地をみると「佐賀県」。佐賀と言えば「東一」に「天吹」、「鍋島」など美味しいお酒を造っている。一昔前は日本酒と言えば東北のイメージでしたけどね。

 

醸造元/古伊万里酒造 有限会社
精米歩合/55%
使用米/麹:山田錦 掛:佐賀の華(割合は不明)
アルコール度数/16度

商品名/古伊万里前 tranquilo 純米吟醸

 

越前桂月 毛利 特別純米酒 ひやおろし

このお酒、実は2度チャレンジしています。申し訳ないが、一度目はダメでした。少しひねた感じと言えばいいのか、ヨーグルトのような甘い酸味な感じというのでしょうか、苦手な味でした。においも酸っぱい感じのにおいです。ただ、2度目にチャレンジした時は肴も濃いものを食べていたせいか、最初の嫌な感じは無くなっていました。酸味は強く感じましたが、嫌な酸味では無くなっていました。体調がそうさせるのか、お酒自体が瓶内で成長したのか。不思議な体験。こうなるともう一度、最初の条件で飲んでみたくなります。来年チャレンジしてみよう。でもこのお酒を入れてくれないかも…。

醸造元/毛利酒造 合資会社
精米歩合/60%
使用米/山田錦100%
アルコール度数/15度

 

で、その時頂いた肴は、

◆ごろいか焼き、お酒を旨くさせる憎いやつ。

イカをさばき、ごろ(肝・ワタ)、げそ、胴、耳、全部入れてお酒とお水と生ショウガで煮込んで出来上がり。もうちょっと何かしら工夫はされているとおもいますが、うまし。濃厚なワタが最高です。何杯でも飲めます。実際、2杯半は飲んでしまいました。上の「毛利」コイツとの相性はバッチグーでした。

磯自慢 特別純米 PB酒

特別純米の雄町じゃなく山田錦。

どうやら世間一般的には磯自慢の特別純米は雄町米らしい。瓶も緑色でラベルは縦ストライプで世界を視野に入れているのか英語表記も入っている。逆に関西ではあまり見たことが無い。こちらでは山田錦米なのです。というのもこのお酒は「酒のやまもと」さんが作っている「PB酒」プライベートブランド酒だからです。お味の方は…

あれ?これもひやおろしなのかな?どこにも表記は無いのですが…。この時期のお酒なのでそうなのかもしれません。いわゆる芳醇ってやつです。よくみればお酒の色も少し色が付いているようです。香りは軽くお米の香り。口に含んだ時のまろやかなコクを楽しめます。ノド越しは無いですが、後にあまり残らないので、スイスイ飲めますが、勿体ないので、ゆっくり味わいます。

*ただし、PB酒なので若干お安くお買い求められます。

いろはのいの字の磯じまん〜♬

全く別のもんですが、昔あった磯じまんのCM。昭和生まれの人は磯自慢といえばこちらを思い浮かべると思います。磯じまんを肴に磯自慢を飲むのも乙かもしれませんね。

櫛羅-くじら-

 飲み屋めぐりの日々。

*ここでは美味しいお酒を飲ませてくれるお店をおせっかいに紹介をして行こうと思います。

立ち飲みのクオリティを超えた立ち飲み屋さん

ウラ難波と呼ばれるエリアで、外まで客が溢れる人気店。しかも今日は週末。なのに客がちらほらしかいない。それもそのはず、まだ2時半だ。人気店は昼のみに限る。

一件目なので「まずはビールから」の精神にのっとり、頼む。このお店のシステムとして一品の付き出しを数種類あるおばんざいの中から選べる。「ナスの煮浸し」と「ぬた和え」を選ぶ。そして本格的にメニューを見てみるとなんと「カワハギの肝添え」がある。失敗だ。こんな事なら、ビールじゃ無く最初から日本酒にするべきだった。後悔。「〆トロ鯖のきずし」を見つける。これも日本酒だぁ。なんとかビールに合う肴をと…。「ホルモン揚げ」を頼む。うん。これこそビールのお供だ。そして待つ。

が、「カワハギの肝添え」が到着。次に「〆トロ鯖のきずし」。それもそのはず、刺身と揚げもんでは圧倒的に刺身の方が早く出来てしまう。計算ミスだ。いや計算自体をしていない。なかなか「ホルモン揚げ」が揚がらない。仕方が無いので、突き出しでビールを進める。早く来ないと突き出しだけでビールが終わってしまうぞー!

キターーー「ホルモン揚げ」参上。
見た目はイカツイが、衣サクサク、中ジュ、ジュワーだ。ホルモンだけで無く衣にも味付けがなされている。これはビールがすすむ君だ。

◆篠峯 もろみ 純米吟醸生酒

「もろみ」ってあのもろみ?大将に確認すると瓶を持ってきてくれて、底に沈殿している部分をもろみと表現しているらしい。いわゆる「活性にごり」ということだ。ただし1本買いしないといけない。もちろん「買い」です。350mlくらいなので問題なし。瓶には爆発注意の文字。大将が「開ける前によーく振って一気に開けて!」と爆弾発言。「全部飛んでまうやん!」と言うと「そしたら、もう一本買うてもらえるやん!」とお茶目な発言。

で、おそるおそる開けるが、期待外れに「しゅっ」と開く。更に指導が入る。「最初は混ぜずに上積み部分だけを楽しんで!」と。上澄み部分はほんのり甘く、もちろんガスはしっかり感じます。次にオリ部分と混ぜて飲む。お味はシュワシュワでジューシー。もうサイダーだ。でも甘みの中にドライと表現すればいいのでしょうか?を感じる。シャープな飲み口でぐいぐい行ける。でも気をつけなはれっ!17度のアルコール度数があるのだ。

商品名/篠峯 もろみ 純米吟醸生酒
精米歩合/50%
使用米/国産米
アルコール度数/17度

ようやくメインイベント。待たせて悪かった「カワハギ&肝」。

肝を身にのせて頂く。ここで大将から食べ方のご指導を頂く。「肝を醤油にとかずに食べてねっ!」との事。うまし!満足。寒くなったら肝ももっと甘くなり、身も脂がのってさらに美味しくなるのでしょうね。やって来い、冬!


↑手前のカワハギの身がズレているのは、我慢できずに箸でつまんだが堪えて戻したためです。

◆篠峯 雄町 純米吟醸 秋色生酒 中取り生原酒
◆篠峯 雄町 純米吟醸 無濾過生原酒 秋あがり

同じ雄町でどちらもひやおろし製法。これは飲み比べせずにはいられない。
秋あがりの方はお酒に気泡があり、口の中でぴちぴちしたガス感を楽しめます。
中取り生原酒は少し香り、芳醇なコクと旨みと酸味でなかなかキレたお酒でした。個人的にはぴちぴちが好き♥

醸造元/千代酒造 株式会社

商品名/篠峯 雄町 純米吟醸 ー秋色生酒 中取り生原酒ー
精米歩合/60%
使用米/赤磐産雄町全量使用
アルコール度数/16度

商品名/篠峯 雄町 純米吟醸 ー無濾過生原酒 秋あがりー
精米歩合/60%
使用米/赤磐産雄町全量使用
アルコール度数/15度

◆〆トロ鯖のきずし

写真を見て頂くと分かると思いますが、〆方が絶妙。漬かり過ぎず、半なま感で脂ものって、めちゃめちゃうまし。

◆亀の手

「亀の手」があったので頼んだ。めずらしいもんをおいてくれる。さすが櫛羅さんだ。磯の香りと塩加減がばっちしです。身を取り出す時、中の水がぴゅっと飛ぶ。飛ばない身のむき方をご指導して頂きましたが、やっぱり飛びます。まぁそれも亀の手を食べる時のご愛敬♬ 通称ガメラの手

2017.10. 櫛羅さんにて

麒麟 純米大吟醸 無濾過袋取り ひやおろし

純米大吟醸をひやおろしにして飲む。

純米大吟醸と言えば、フルーティ、ジューシー、フレッシュなどのイメージを勝手にもっています。それをひと夏寝かせてから飲むってどうなのか?まだ日本酒が苦手だった頃、純米大吟醸だけは美味しく飲めました。今では逆に純米酒の方が好きになってしまっており、大吟醸とは少し距離をとっていました。そこで出会った「麒麟-きりん-純米大吟醸 無濾過袋取り ひやおろし」。

嗅ぐ香りは意外とない。口に含んだ時に果実香もあまりなく、米の旨み、コクは濃厚にあり。ノド越しにはキレを感じます。ただ、個人的に言わせて頂ければ、寝かさなくてもいいんじゃないの!?ってところです。大吟醸はやっぱりフルーティであってほしい。

袋取りってなに?

別名「袋吊り」「斗瓶取り」「しずく搾り」とも呼ばれています。

本来はお酒を搾るために醪を袋に詰め、槽(ふね)と呼ばれる搾り器で「あらばしり」「中取り」「責め」の段階別に搾ります。それとは別に大吟醸のような贅沢なお酒を作るために「酒」を「し」、ゆっくり自然に滴り落ちる滴をタンクで受けて、貯蔵保管する方法です。この方法で出来たお酒は別名「雫酒-しずくさけ-」とも呼ばれ、品評会などに用いられるお酒になります。

 

醸造元/下越酒造 株式会社
精米歩合/50%
使用米/新潟県産五百万石100%
アルコール度数/16度

商品名/麒麟 純米大吟醸 無濾過袋取り ひやおろし

Takachiyo 59 AI-IPPON

Takachiyo 59 シリーズ コードネームは「ゴクタカ」

前回、頂いたのは「Takachiyo 59 雄町無調整生原酒 純米吟醸」黄ラベルでしたが、今回のは紫ラベル「Takachiyo 59 AI-IPPON 愛山・一本〆 純米吟醸 生酒」。もう嗜好品です。肴を選びます。いや飲む人も選ぶのかもしれない。本来なら自分ごときが飲んでいいお酒では無い。それは紫は高貴なものとされており仏教では最高位のお坊さんのみが使えた色とされおり、現在でも「紫綬褒章」などと紫に高貴な色として敬意を払っています。

愛山から一本〆へのバトンタッチ

さてその「紫」のお味です。自分ごときが評価すべきに値しないのですが、申し訳ありません。昔でいうところの大吟醸。心地の良い果実の香り、口に含んでもやさしい甘みと旨みそしてジューシー感を口の中で感じます。「愛山」の米の特徴がでているのでしょうね。その後、ノド越しにスッとキレて行きます。「一本〆」のキレが加わって重厚な味わいを醸し出している。みごとなお米のリレーです。

醸造元/髙千代酒造株式会社
精米歩合/59%(扁平精米)
使用米/愛山22.5%、魚沼産一本〆77.5%
アルコール度数/16度

商品名/Takachiyo59 AI-IPPON 愛山・一本〆 純米吟醸 生酒

 

扁平精米とは

「扁平精米」という言葉が気になり、調べてみました。最近はネットで簡単に調べられるので便利になりましたね。以前は図書館に行ったり、蔵元に直接聞いてみたり(←ほとんどしません)大変でした。

【普通精米】と【扁平精米】

簡単に説明です。【普通精米】はただ丸く削る方法。【扁平精米】はお米の形に添って削る方法です。

どうすればこのように削れるのかは説明が難しいので次回。
なんか精米機の回転速度がどうのとか米の密度で軸回転がどうのとか時間が掛かるなど、いろんなことが総合的になって扁平精米できるそうです。ふー

【扁平精米】の削り方

説明しているHPがあるので紹介しておきますね。
神戸・濱田屋さんのHP→
大七酒造さんのHP→

早瀬浦 特別純米酒限定品 夜長月

ネーミングセンスが詩人。

だれが名付けたのだろう。早瀬浦はいいとして。「夜長月」←もともとある言葉なのですが、「よながつき」と読みます。

秋に差し掛かり徐々に夜が長くなり始める季節。

↑ 説明までいちいち詩人です。「長月」と同じ意味で旧暦の九月の意。それだけでなく、「ひと夏越え」←ひやおろしのことです。春に搾ったお酒を火入れしたものを外気温と同じなる時期、秋の初めに火入れせずに「ひや」で「卸す」ことです。たしかにひと夏を超えたお酒です。が、いちいちかっこええ言い方。ラベルもシックな色使いで大人の男の佇まいです。

口に含んだ時に甘い香り、コクもある。ただ、ノドもとを過ぎる時はかなりぴりっとしている辛口酒。全体的には辛口のイメージで終わる。これは好きな味だ。ひやおろし界のオアシスだ。長くなる夜、深まる晩秋にかけて、旬の食材とともに、月を愛でながら、じっくりと味わいたいものだ。←コピーパクった。

醸造元/三宅彦右衛門 有限会社
精米歩合/55%
使用米/美浜町新庄地区産山田錦100%
アルコール度数/16度

商品名/早瀬浦 特別純米酒 夜長月

 

乾坤一と書いて「いぬいしんいち」と呼ぼう

言葉で伝わらない表現

「まろやかで喉元が潤う感じ」←を紙で言うところの「コート紙-つや有り-」としよう。その反対として「マット紙-つや消し-」がある。この乾坤一はそのマットなノド越しが感じられる。これはネガティブな意味では無く、他の言い方をすれば、「ドライな感じ」と表現すればいいのか。

それでは改めて乾坤一の味を表現させていただきます。ゴホンッ。

香りは結構あり、果実の香り。口に含むと旨味、甘味、酸味のバランス良い飲み口。ノド越しにかなりのキレを感じます。そして飲み終わった後、口の中がマットなつや消し感覚が残ります。←これは僕だけなのかなぁ。もちろん嫌な感覚で無く食事もすすむ、いいお酒です。お店に置いてあると必ず頼むお酒です。

さて「乾坤一」と書いてなんと読むかご存じでしょうか?そうです。「いぬいしんいち」です。お店の方に「いぬいしんいち」と頼むと、まぁ何も言わずに出してくれますが、お客さんの中には失笑する方もおられます。コイツお酒の銘柄もわからんのか、ぷっ! と。そうです。正式名は「けんこんいち」なのです。

乾坤一と書いて「けんこんいち」と読む。

が、あえて「いぬいしんいち」と叫び続けています。沢田研二をジュリー、仲井戸麗一をチャボと言うように、乾坤一をいぬいしんいちと読んでもいいのではないでしょうか!宿敵と書いて「ライバル」、あいつと書いて「憎いあんちくしょう!」と読んでいるように乾坤一と書いて「いぬいしんいち」と呼んでいいのではないでしょうか!ありがとございました。

乾坤一、名前の由来とは

まじめな話。乾坤一の名前の意味は元となる四文字熟語「乾坤一擲-けんこんいってき-」の運を天に任せて大勝負をすること。天下をかけて一度のさいころを投じると言う意味。その「乾坤一擲」から名付けられているのですが、少し意味は違うそうです。

明治3年、初代県知事の松平正直さんが、蔵元へ来られ「乾坤一擲」の言葉から引用し「乾坤一」とし、「地上と宇宙で一番美味しいお酒。いた土地に様がくれた一滴」と言う意味で名付けられたと言うのが名前誕生の経緯です。

醸造元/有限会社 大沼酒造店
精米歩合/50%
使用米/山田錦100%
アルコール度数/17度

商品名/乾坤一(けんこんいち)純米吟醸生詰原酒 一火入

里芋と豚肉ときのこ煮三つ葉添え

三つ葉のさわやかな香りがアクセントになっています。きのこと豚肉がいい出汁を出して里芋をさらに美味しく引き立てています。

鮭ときのこの小鍋バター焼

鮭ときのこの小鍋バター焼

チャンチャン焼きと言うより、味噌も醤油も使っていないので(隠し味に入れているかもしれません)ムニエル。バターの香りが食欲をそそります。ビールじゃだめです。日本酒です。白ワインでもいいかも。

奈良の嬉長 純米酒

ひやおろし感満載。冷酒で頂いたのでノド越しにキレを感じますが、少し常温になってくると濃厚なコクがしっかりとやって来ます。常温になっても酸味がしっかりあるので、ノド越しのキレもしっかり残っています。まあひやおろしの典型的なコメントです。飲み比べれば分かると思いますが、お米の違いがちゃんと分かります。ごはんだとよく分からないのですが、日本酒になると違いがしっかり分かるのは不思議です。まあごはんの食べ比べをすれば分かるかもしれません。

 

ちなみに嬉長の字は左記の写真の字です。「嬉」の崩した字だそうです。右は七が3つです。「生長」と「嬉長」の使い分けはどうなっているのでしょうね。コンセプトとしては、生駒の長ならんとの思いから付けられた【生長】、嬉しいことが長く続くように名付けられた【嬉長】との意味があるようです。

 

 

醸造元/上田酒造 株式会社

精米歩合/70%
使用米/国産米100%(お米の表記がありませんでした)
アルコール度数/15度

商品名/嬉長 純米酒 ひやおろし