山形じゃないよヤマサンだよ!

まずは肴の紹介。「和牛ローストビーフ」。最近、このお店の定番になりつつある。霜降りのサシも少し入っているが、赤み部分のお肉。「まるしん」。赤身ですが、噛めばジュワーと甘い脂が滲み出てきます。サイコーです。いくらでも食べれます。わさびをのせて食べてもよし!塩だけでもよし!そして添えてある甘辛のたれもうまし!です。

◆ヤマサン正宗 純米吟醸 佐香錦 袋取り生原酒

「ザ・バランス」です。甘みだとか辛口だとか濃厚とか芳醇。飛び抜けて何かに特出しているわけではない。個性が無いという表現も出来るのですが、これは「バランス」が飛び抜けて良いお酒と言って良い。つまり「美味い」のです。爽やかな酸と柔らかいお米の旨みがやさしく広がります。

神々のふるさと出雲の里は、他の地方が神無月となる10月に、全国八百万の神々が集う神在月(かみありづき)となります。町はずれに酒造の大社(おおやしろ)、出雲松尾神社、別名佐香神社。神々が集って180日間に及ぶ酒宴を催したのはこの神社だと伝えられています。

酒持田本店は、その神社の御膝元で、140年に渡り出雲杜氏の技を継承してきました。
店舗・酒蔵のある通りは「木綿街道」と呼ばれ、古い町並みを今に残しており、建物は2017年に登録文化財に指定されました。

島根県産の酒米を自家精米し、優秀な出雲杜氏の腕で、麹(こうじ)はすべて手作り。蔵人は約半年間泊まり込み、夜も醪を気にしながら過ごしています。出雲の地の小さな蔵で造る、技と経験と感性の結晶が「ヤマサン正宗」を造り上げているのですね。

製造者/株式会社 酒持田本店
精米歩合/60%
使用米/佐香錦100%
アルコール度数/18度
日本酒度/+2.0
酸度/1.5

商品名/ヤマサン正宗 純米吟醸 佐香錦 袋取り生原酒

王録八〇生原酒−おうろくはちまる

今年も「八◯」(はちまる)の季節が来ました。「八◯」とはもちろん精米歩合のことです。お米をわずか20%しか削らない、しかも無濾過で生原酒というチャレンジャーなお酒です。お米は削れば削るほど美味しい部分になるのですが、20%しか削ってないとなるとかなり雑味が残ります。それを美味しくしてやろうってチャレンジ精神がうれしいです。

それでは頂きます。もちろん冷酒で頂きます。器の写真を撮り忘れていますが、グラスに気泡がつきます。これは期待できます。では一気にごくりっ。ほらーシュワシュワッ。微発泡酒ですよー!美味しいーっでもじんわりと苦みが下の奥に広がります。もちろんこの苦みも楽しみます。「八〇」ですから!苦みが消えないうちにもうひとくち頂きます。今度はすぐに飲み込まず、口の中で転がしてみます。コクのある旨みがのぞいてきます。もちろんシュワシュワです。さらにひとくち。あら?どうしたことでしょう!苦みの中から甘み旨みがジュワーっとやってきました。コレです。やっぱり王録八〇はサイコーです。もっと楽しみたい人は少しぬる燗にして吞んでみるといいのでしょうね!僕は冷酒派なので冷たいままで頂かせてもらいます。みなさんもこのメタモルフォーゼを楽しんでみて下さい。

ところでみなさん「王録プライド」をご存じでしょうか?
王録のお酒は…
* すべて無濾過!
* 酒は生、あるいは生詰め。
* 全量瓶貯蔵!
* ブレンドをしない!
* 限定生産!
* 徹底した低温冷蔵管理!
↑ もうプロです。(←当たり前ですが…)

醸造元/王録酒造 株式会社
精米歩合/80%
使用米/東出雲町産山田錦100%
アルコール度数/17.5度
日本酒度/+6.4
酸度/2.4

商品名/王録 八〇 生原酒

 

眠る王祿 純米吟醸酒

なめろうでは無いがなめろうのようなものである「あじの薬味和え」。なめろうの名称の由来には「叩くことでなめらかな舌触りの食感から」と「皿についた身まで舐めるほど美味しかったから」という説などがある。調理方法はおろした青魚に味噌、お酒、ネギ、シソ、ショウガ、ミョウガなどをのせ、包丁を使って粘りが出るまで細かく叩いたもの」をなめろうと言うようです。

という事で上の写真の料理は「なめろうのようなもの」ではあるが、「なめろう」と呼ぶには具が細かく無いようです。味噌は麹(こうじ)をつかい薬味に大根の千切りと大葉のみじん切り、ミョウガの柵切りが加わっています。どうみても叩いておらず、和えているだけのようです。お味はと言うと味噌による甘みと言うより、麹を使っているので酸味が立っています。更に大根の千切りもさっぱり感を引き出しています。要するに「あじの薬味和え」なのです。

2016年のお酒を2018年に頂く

二年間熟成したように思ってしまうが、実際は1年ちょっとと考えてもらった方が良いでしょう。それではこのお酒は古酒なのか?と言うと…、なんとも言えない。古酒のように酸がひねたようなヨーグルト感は無い。味は熟成されて濃厚で旨口な純米吟醸酒。本来なら2017年の春の酒開きシーズンに飲むのが理想なのでしょうが、ここ王禄酒造さんは、タンクのお酒を上槽後、ブレンドや濾過などをせずに(火入れも極力しないそうです)瓶詰めし、低温で瓶貯蔵をするそうです。そして味が整い次第に発売!というスタンスをとっているそうです。なので1年くらい低温熟成した方がより洗練されたお酒になるのでしょう。

タイムカプセルから出てきたようなお酒

実際に飲んでみても先に書いたように濃厚で旨みたっぷりのお酒に仕上がっています。香りは上品な吟醸香はするものの古酒のような芳醇さはありません。言わなければ新酒と言っても通るぐらいキレのあるお酒です。これも低温瓶貯蔵の成せる技。なにしろ火入れをせずに「生原酒」として醸造出来るのですから管理力すごい!まるで1年と言う時間を飛び越えてやってきたような新鮮なお酒だ!(←ちょっと言い過ぎたか!!)

醸造元/王祿酒造 有限会社
精米歩合/50%
使用米/東出雲町産山田錦100%
アルコール度数/17.5度
日本酒度/+3.9
酸度/2.2

商品名/王祿 純米吟醸 無濾過生原酒

出雲富士 そして「わた持ち丸干いか焼」

あれ?出雲富士といえばあのラベルじゃないの?菱形がいっぱいあるやつ?!今回のやつには付いてないですねぇ。あのデザインラベルが好きなのになぁ。ほらこんなやつ↓

 

いやいや、ちょっと違う…

 

あっ!これっぽいけどモンベルやしっ!

 

うん、これです!このロゴマークです!

ジャケ飲み出来るお酒「出雲富士 -IZUMOFUJI-」

出雲富士はジャケ買い&ジャケ飲みしたお酒のひとつです。このラベルのお酒が出た当時、ジャケットがスタイリッシュでデザイン的だったので、思わず買って飲んだものです。もちろんこの形は「」、伯耆大山(ほうきだいせん)別名:出雲富士をイメージして造られたロゴマークで、ラベルの下にでーんとそびえ立っています。きれいにはがしてファイリングしていたのですが、そのファイルが今どこにあるのか!

で、お味の方はと言うと、僕の大好きな味です。出雲富士はハズしませんね。口に含んだときの香りは果実香、もちろんジューシーでフレッシュ。と言っても甘ったるさは無い。喉元を過ぎるときのキリッと感も楽しめる。万人に受けるお酒と言って良いでしょう!←いいのかぁ?

人と人 食と人 よき縁を結ぶ。

ジャケットには無かったロゴマークが襷掛け部分に付いていました。よかったぁ!これですよ!これ!それと写真を撮ったときには気がつかなかったのですが、このたすきに書かれた文字、よく読むと「無濾過生縁酒」って書いてあるやん。何この「」って?←調べた!

◆生縁酒とは…
富士酒造から10分くらいのところに縁結びの神様「出雲大社」があります。「人との縁」「料理との縁」「酒との縁」…様々な「縁」がありますが、『出雲富士を』酌み交わしながら「縁」をより深めて頂けるようなお酒にしていきたい…そんな思いを込めて、「生原酒」を「生縁酒」ともじって付けたそうです。

醸造元/富士酒造 合資会社
精米歩合/55%
使用米/佐香錦100%
アルコール度数/16度

商品名/出雲富士 純米吟醸 佐香錦 無ろ過生原酒


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◆わた持ち丸干いか焼き

何度も言いますが、これはダメなやつです。雁木寫樂、そして出雲富士で三杯目です。お腹の部分をチューブのように押してワタを少しずつ出してはつまみ、お酒で清めます。あっどこかで聞いたことのある感想がっ!

もちろん炭火焼きです。もう味を閉じ込める必要なんて無いのですが、わたの濃厚さがお酒を求めます。唯一の救いが横に添えてある辛味大根おろし。こいつがなんとか口に残るわたを中和してくれます。おろしがなければおそらく4杯は軽〜く行けたでしょう。ありがとう辛味大根おろし。