和牛煮込みハンバーグ

デミグラスでは無い。なんと言えばいいのでしょう…ミートソースでもなく…ソースに詳しい人なら何かカタカナのソース名を言い当てられるのでしょうが、僕にはボキャブラリーが…。ミートソースのスープ風としておきましょう。どういうレシピなのかは聞いていないので定かでは無いがアッサリしています。日本酒でも合うように出来ている。さすがは日本酒のお店のことだけある。ほんとうなら横にパセリを添えておくとか、ちょっと緑のものを置いておくと見栄えがいいのですが、これは肴なのです。お酒の…。だからインスタ映えしてなくてもいいのです。うん。そしてこれに合わせる日本酒はやっぱり純米クラスがベスト!しかもキレのある日本酒が理想。って事で…。

◆酉与右衛門-よえもん- 超辛口直汲み 純米無漏過生原酒

「酉」と「与」が別々になっていますが、一つの漢字です。常用漢字で見つけられず「酉与」合わせ技で表記しています。造語なんでしょうね。それにして部首が「酉」の漢字は500近く文字があるのに「与」は無いですね。まあ「酔」って漢字があるからね。

さて飲む前から期待させる仕様です。山田錦米はもちろんのことなのですが、精米歩合が70%と低精白で日本酒度が+14もあり、酸度も1.9あります。以前、紹介した「南方」ってお酒が日本酒度+22.5ってとんでもないものを飲んだことがあるのですが、ほとんどエチルだったのを思い出す。まずいのかって聞かれると決して不味くはなく、個性的って言うほかに無い味でした。でも、また飲みたいって気持ちが溢れかえっています。

さて「酉与右衛門-よえもん-」ですが、香りはほとんどありません。口に含んでも香りは無く、舌先にピリピリ感を感じます。さすが「超辛口」を謳うだけのことはあります。もうソーダです。のど越しにももちろん酸のキレがキレッキレに刺激してくれます。精米歩合が70%が理由なのか山田錦の旨みの中に苦みを感じられる。ビターで大人な味を楽しめます。食中酒にぴったりで、味の濃い、それこそハンバーグでも合わせられる日本酒ではないでしょうか。これは癖になるピリピリです。

醸造元/合資会社 川村酒造店
精米歩合/70%
使用米/徳島県産山田錦100%
アルコール度数/15〜16度
日本酒度/+14
酸度/1.9

商品名/酉与右衛門-よえもん- 超辛口直汲み 純米無漏過生原酒

タクシードライバー再び!

前回から2ヶ月、タクシードライバーに何があったのか!!

今回は「仕込み2號」、前回と比べると日本酒度が7も下がっており、酸度、アミノ酸度も下がっている。意図しての数値なのか、自然が織りなす気まぐれなのか!

相変わらずどっしりしている。色もきちんと琥珀色。豊潤でコクもあり、のど越しにほどよいキレも感じられる。とその時は感じた。同時に飲み比べればわかるのでしょうが、なにしろ前回に飲んだものの記憶と今回のもを比較するのは、馬鹿舌と馬鹿記憶力では到底わからない。実のところ、数値の違いは後で気がついただけなので結局、気がつかなかったって事なのです。相違点といえば…仕込みのタンクが違うから?前回のお米は2016年もので、今回のものは2017年の新米を使っているから?って事ぐらいしか思いつかない。でもここのお酒は四季醸造。新米とか関係するのだろうか。う〜ん。あきらめた!美味しい事に変わりないのだから、よしとしよう。

↓今回いただいたタクシードライバー

↓2ヶ月前のタクシードライバー

醸造元/喜久盛酒造 株式会社
精米歩合/55%
使用米/岩手県産かけはし100%
日本酒度/+2.0
酸度/1.7
アルコール度数/17度

商品名/純米原酒 タクシードライバー 仕込み2號

 

異色のお酒,タクシードライバー

初めて飲んだのはいつの事でしょう?どこで飲んだかも定かでは無い。企画もので、キワモノ扱い、無許可で肖像権も取らずに、酒蔵の若手が遊びで作ったお酒なのだろう。ぐらいに思っていた。色は琥珀色、味も濃厚で辛口。当時は受け付けませんでした。ただ、このジャケットインパクトで映画の話になり、盛り上がった事を思い出す。そして二度と出会う事も無いのだろうと思ったものです。それがどうでしょう、こんなに世の中に受け入れられているとは!!

トラヴィスとアイリス

1976年公開、マーティン・スコセッシ監督の名作。ベトナム戦争と不眠症。正義と殺人、狂気、そして狂気。トラビスは偶然と度重なる幸運で英雄に祭り上げられる。これはハッピーエンドなのか?ラストシーンのフロントミーラーに映し出されるトラヴィスの眼に意味するものは!

日本酒「タクシードライバー」生まれたのは2005年。映画業界のデザイナー「高橋ヨシキ」氏との酒席での成り行きで口約束から生まれる。

そして最近、なんだかんだと毎年飲んでいるような気がする。癖になる味だったようだ。いや、それでも最初の頃は、「ほらぁ、やっぱり僕には濃すぎて無理やわぁ」と言いながら頼んでいた。今年はどうだろう?と言う気持ちで頼む。今年はさっぱりフルーティーかもしれない。いざ、試飲!「ほらぁ、やっぱり濃いわぁ♬裏切らんなぁ♪」「濃厚♥」「すごいなぁ!」「で、トラヴィスは最後どうなったん?」「ジョディ・フォスターってアイリスって名前だったかなぁ?」「クラリスと違ったっけ?」「それ羊たちの沈黙っ!」って感じで盛り上がります。

震災と喜久盛酒造

2011年3月11日。東日本大震災が蔵を半壊させてしまいます。沿岸部の津波被害は大きく報道されましたが、内陸部の被害も大きかったようです。「喜久盛酒造」でも瓦礫を撤去し、蔵の復刻を目指します。が、同じ被害でも沿岸部には補助金が出たのに対し、内陸部の北上市では補助金が下りなかったのです。そのため、自力で復興をする事になります。一からでは無くマイナスからの再スタートです。

いや、マイナスではない。だって「タクシードライバー」があるじゃないか!頑張れっトラヴィス!

 

醸造元/喜久盛酒造 株式会社
精米歩合/55%
使用米/岩手県産かけはし100%
日本酒度/+9.0
酸度/2.1
アルコール度数/17度

商品名/純米原酒 タクシードライバー 仕込み1號