神韻

なんとも言いようがない、すぐれたおもむき。神韻縹渺(ひょうびょう)たる酒。

かみ砕けば、「芸術作品など、人間が作ったものとは思われないようなすぐれたおもむき」と辞書に書いてあった。大和の国の大国見山の伏流水を仕込水に使い蔵元から代々伝わる奈良酒の伝統を守っているお酒だそうです。たいそうな言い分と思われがちですが、本来お酒は神様への貢ぎ物で、そのお裾分けを人が頂いているだけなのだから、いいのですよね!神韻の中でも限定酒。ブルーで透明な瓶が涼やかで夏に飲むのにピッタリです。お酒の色はほんのりうすにごり色。香りは揮発的。誤解が無ければ「エチルアルコール感」と言っても良い!少しラムネのような香りもします。口に含むとキリッとした酸とクリアな旨味。シュワシュワまでは行かないが、爽快でフレッシュな辛口純米酒だ。肴を選ばないオールマイティなお酒なので是非、ご賞味を!

 

醸造元/増田酒造 株式会社
精米歩合/50%
使用米/吟吹雪100%
アルコール度数/15〜16度
日本酒度/+5.0
酸度/1.8

商品名/神韻 純米酒 無濾過生原酒

◆いなり寿司?

と思わせておいて、酢めしじゃ無くてコロッケの具なのです。いなりは甘辛く炊いてあり、いなり寿司そのままです。はっきり言ってひとくちでペロッです。ちびちび食べられないので、アテになりません。口の中で拡がる甘ーいおあげさんにキリッと辛い神韻はなかなかマッチします。が、ぐびぐび行ってしまうので要注意!

これは今年一番かもしれない!

第一声は「ノォォォーコォォォー」である。「ノォォォーコォォォー」とは「濃厚」のことです。最初はアルコール度数が19〜20度あるせいなのかな?と思ったが度数は関係なさそうです。無濾過で生原酒も理由のひとつだと思いますが、これは確実に「米」。そう「強力米」が醸し出されたためである。おそるべし「強力」。おまけにまぼろしと呼ばれる「協会1号酵母」を使って醸造しています。(*明治39年に兵庫県の櫻正宗の酒母から分離された酵母になります)

ウララベルには「素朴な香り、さわやかな酸味、やさしい旨味の味わいです。」とあるがどうなの?飲み過ぎて麻痺してるんじゃないのか?まだ夏(7月)ですが、山廃じゃないのか?ってぐらい濃厚で芳醇です。因みに速醸酒とよばれるライトなお酒のハズなのですが、もう山廃といっても過言ではない!それでは、美味しくないのか?って言われれば、それはもう美味しいのですよ!精米歩合が71%とは思えないまろやかさがある。一度は試しておくべき日本酒です。でも玉川で強力米を使っているとは知らなかった。これは毎年、期待できるぞー(手に入ればね!)

 

醸造元/木下酒造 有限会社
精米歩合/71%
使用米/鳥取県産 強力100%
アルコール度数/19〜20度
日本酒度/−0.5
酸度/2.0

商品名/玉川 特別純米酒 強力 無濾過生原酒

◆和牛しいたけシチュー

たしかそんな名前だったと思う。お肉ごろごろで、椎茸もごろごろと具だくさん。で、そのお肉のホロホロ具合!まぁ柔らかいこと!そして美味しいこと!肉と椎茸から出汁が出ているからか、スープも絶品。ご飯が無いならパンでもいい!ひと汁も残さず食べきりたい!それぐらいのクオリティーです。飲み物はデュワーズのソーダ割りです。(*デュワーズは10年じゃなく12年のより美味しい方です♬)

黒牛 純米酒 山田錦 無濾過生原酒

これはちょっと美味しすぎる黒牛です。いつも普通の黒牛で良い!って言っているのですが、なかなか言うことを聞いてくれない。ってことで、頂くのは、山田錦を全量使用し、さらに品評会クラスと言われる「中取り」部分だけで瓶詰めされた超限定酒。春先に一度「黒牛」を飲ませて頂いたが、その時は「あらばしり」という荒々しさのあるフレッシュでピチピチなお酒だったと思う。

純米酒なのにフルーティな香り、いわゆる吟醸香が漂います。ひとくち口に含むと結構、濃厚な味わいです。山田錦米ならではの旨み甘みがしっかりと出ている。そして黒牛らしい独特な味わいと酸のキレもしっかり感じられます。柔らかい甘みの辛口酒と言えばいいのでしょうか?これは肴のいらないお酒です。食前酒には贅沢なので、食後のデザートとして飲んでみてはいかが?

醸造元/株式会社 名手酒造店
精米歩合/麹米50%、掛米60%
使用米/山田錦100%
アルコール度数/18.5度
日本酒度/+4.5
酸度/1.8

商品名/黒牛 純米酒 中取り無濾過生原酒 全量山田錦

 

◆たこのお焼き

「たこのお焼き」って「たこ焼き」って事になるのかなぁ。って事はこの味付けでたこ焼きを作れば新感覚の「ネオたこ焼き」として登録商標とれるんやないの?どう?マスター。*ちょこっと右下に見えているのが「らっきょう」。根と土のついたものを毎晩、地道に洗っては取って、洗っては取って、作業しているのを見ているので、美味しさもひとしおです。

篠峯 愛山 純米 無濾過生原酒

篠峯らしいお酒です。いや、千代酒造らしいと言うべきかな。洗練された酸味と愛山米ならではのしっかり感と上品な甘みがバランス良く味わえるお酒になっています。篠峯らしい細やかなピチピチ感も楽しめます。香りはあまり無かったような…。ただ微発泡感があるせいか、さわやかなマスカット的なものを感じた…気がする。口開け時とは違い瑞々しさの中にもしっかりとした旨み・甘みが口の中に広がります。その後に酸の波がやってきてのど元をキレて行きます。青っぽさや渋みはほとんど消えてました。こういう変化を楽しめるのも良いですね。

山田錦より粒が大きく、穂の背が高いため倒れやすく、栽培が難しく、一部の酒造しか手に入らなかった酒米「愛山米」。その兵庫県産の愛山米を66%精白。酒質が一番いいとされる「中取り」部分のみを瓶詰めしています。どおりで美味しい訳です。

醸造元/千代酒造 株式会社
精米歩合/66%
使用米/兵庫県産愛山米100%
アルコール度数/16度
日本酒度/+5.0
酸度/2.1

商品名/篠峯 愛山 純米 中取り 無濾過生原酒

クエ花わさびとローストビーフ葱ソース

まさか幻の魚「クエ」が食べられるなんて!刺身で食べたかったが今回は「漬け」で花わさびと漬けたものを頂きました。分厚く切っていることもあり、食べ応えのあるもっちり感に花わさびのツーンとした辛味がひとつになってさっぱりと頂けます。さらにしっかり噛んでいると旨みと甘みがジュワーと口の中に広がっていきます。これはクエの脂がにじみ出ているのだろう。絶品です。ああ刺身で食べたかったぁ!でも漬けにしてもクエの存在感が出ているのはやはり幻の魚と言わしめるのだろう。

ローストビーフは赤身部分ですが、ジューシーで噛めば噛むほど肉の旨みと甘みがにじみ出てくる。単品だけでも美味いのですが、その上にピリッと辛味のネギソース。相対的でありながら口の中でみごとにマッチして行くのが楽しめる。もちろん辛味葱ソースだけをちびちびつまみながらお酒を飲むのも良しです。

◆松の寿 純米吟醸 “ひとごこち” 無濾過生原酒

硬度2の超軟水「高原山麓自家湧水」を仕込水として使用しているそうです。おーそれはすごい!と言いたいが、よく分からない。とにかく、柔らかく透明感のある酒質になっているようです。やっぱり軟水を使えばお酒も柔らかくなるのですね。

では個人的な感想と行きましょう。香りはほどほどの吟醸香。口に含んだ時の刺激は無かった。とろ〜んとした印象です。これが柔らかいって表現なのですね。無濾過生原酒だからもっと濃厚な重みを感じられるのかと思ったのですが…。アルコール度数も結構あるのですが…。これが「超軟水」パワーなのでしょうか。でも甘みと旨みのバランスは良いです。飲み終わりの、のど越しには酸によるキレはあります。飲み終わった感想はマイルドフレッシュって感じかな。*物足りないってわけでないのですよ、こういう優しさを追求したお酒も面白いなぁと思う今日この頃でした。

醸造元/株式会社 松井酒造店
精米歩合/55%
使用米/ひとごこち100%
アルコール度数/17〜18度
日本酒度/+3.0
酸度/1.75

商品名/松の寿 純米吟醸 無濾過生原酒

帰ってきた!長珍 新聞紙シリーズ

上から読んでも、下から読んでも「しんぶんし」シリーズの2018年バージョン。今回は「純米60【生】無濾過」です。新聞がハデだ!たまたまなのでしょうが、なんかワインのようだ。味の方は…。さすがは「長珍」と言わざるを得ない。濃厚です。純米ですが、メロン果汁のような吟醸香が少し香ります。が、若さも感じ、若干渋みのような苦みがあるのですが、それが旨みの余韻に繫がっているのでよしとしましょう。のど越しの爽やかな酸もありますが、ちょっと熟成感が勝っているようです。今回は芳醇感を楽しもう!!

注)このお酒のセールスポイントでもパスタで日本酒を!ってコピーではありませんよ!単なる中日新聞の広告です。でもある意味広告主は2度、広告を打っているようなもんなのでお得ですよね!でもちょっとボロネーゼで日本酒を飲んでみたくなった。「長珍」ほど個性的で濃厚なお酒ならボロネーゼも美味しく頂けそう!

新聞に載っていた商品を調べてみた!レガロの「ホロネーゼの真実」

醸造元/長珍酒造 株式会社
精米歩合/麹米:兵庫県産山田錦60% 掛米:広島県産八反錦60%
使用米/山田錦・五百万石
アルコール度数/18度
日本酒度/非公開
酸度/1.9

商品名/長珍 しんぶんし60五百万石 純米生原酒

浅芽生←さぁ、なんと読もう!

無圧無濾過生原酒、酒袋に入ったお酒の重さだけで搾られたお酒。いわゆる「あらばしり」ってやつですね。すでに半分減っている。出来れば口開けが吞みたかった。あらばしりの開けたてはアルコールにカドがあり、ドライで雑味も楽しめる。それから4、5日経ったものを頂くと丸みが出てきて「おっ結構変化したなぁ」って、2度楽しめるのです。

それでは頂きます。香りは結構あります。華やかな感じとドライな感じもします。口に含む…意外とフルーティ!もっと酸っぱいエチル感かと思ったが、かなり落ち着いている。メロンの果汁のような甘さが口の中に拡がる。もうジュースです。プチプチ感もあるので、サイダーです。ラムネです。ただ甘いだけのラムネではありません。飲み込むと同時に辛味とキレキレの酸味が襲ってきます。後味はさっぱりとした苦みなのか渋みなのか余韻が残ります。柑橘系のフルーツを食べた後の余韻に似ているのかも。もう肴は要らない。これはデザートだ!でも食べます。何かを無理矢理合わせます。シガラーとしては良いお酒の発見です。でも次は来年なんですよね!

製造元/有限会社 平井商店
精米歩合/60%
使用米/滋賀県産吟吹雪100%
アルコール度数/18度
日本酒度/+3.0
酸度/2.0

商品名/浅芽生-アサヂヲ- 特別純米生原酒

 

◆伊勢赤鶏むねチャーシュー

コレ大好き!よく、たのみます。赤鶏むね肉は同じですが、添えてあるものが、タルタルソースだったり、みたらし餡だったり、今回のマヨマスタードだったりして味を変えて来てくれるのがすごく良いです。もちろんチャーシュー自体に味付けがされているので、何も付けなくても美味しく頂けます。さっぱりしているので、いくらでも食べれます。

鯵ヶ澤 しぼりたて 純米吟醸 無濾過生原酒

また知らないお酒を発見。いつも美味しいお酒をありがとうございます。「鰺ヶ澤(あじがさわ)」って名前から想像するとあまり美味しく感じないのですが、見事に裏切ってくれます。けっして魚臭くはありません。香りは穏やかではありますが、甘い国産蜂蜜のような芳香が立ちます。(うん、アカシアでは無く、間違いなくレンゲの蜂蜜とみた。ローズマリーでもラベンダーでは決して無い!)ウラのラベルを見ると日本酒度が+0.0とあるのでこれはまったりと甘ったるいフルーティな奴じゃないのかぁ!といやな予感。口に含むと意外!爽やかで艶やかな旨みが口の中に広がります。酸も低く、さらりと飲めてしまいます。後口のキレは上々。余韻にスイートな旨みを残して行きます。ただ18度とアルコール度数が高いので美味しいからと言ってぐびぐび飲むと後で足腰を持って行かれます。気をつけなはれ!

醸造元/尾崎酒造 株式会社
精米歩合/50%
使用米/青森産酒造好適米 華想い100%
アルコール度数/18度
日本酒度/+0.0
酸度/1.7

商品名/鰺ヶ澤 しぼりたて 純米吟醸 無濾過生原酒

◆酒の肴2種

くえ花わさび」と「あおりいかうにゼリー」。「くえ」のもちっとして噛み応えのある食感が堪らない。それを「花わさび」が引き締めてくれる。鼻に突き抜ける爽快な辛みと独特の苦み、シャキシャキとした歯ごたえもたまりません。「あおりいか」が新鮮!唇で噛みきれるほどの柔らかさ。そしてまたあまーい!これはお酒がすすむ君です。

花泉 上げ桶直詰め 純米無濾過生原酒

「上げ桶」って何?

さぞかし神聖な桶なのかと思いきや搾ったお酒を入れるタンクのこと。まあ確かに「tank」を江戸時代から使っていたとは思えない。が、「上げ桶」を調べても出てこない。花泉酒造さんだけで使っている言葉のようです。搾ったお酒を桶に上げるって事なのでしょうね。でもまだ謎がある。「直詰め」なら上げ桶に移さずに直接、瓶詰めした方がより「直詰め」なのじゃないのかなぁ?そもそも、「直詰め」って搾り機から直接移すことじゃなくて、一度タンクに移してから瓶に詰める作業って事?…よし!この辺は気にせずに進もう!その「上げ桶直詰め」した純米無濾過生原酒ですが、もちろん、ピチピチ、シュワシュワです。おまけにフルーティ!まろやか!と言いたいが、アルコール度数が19度あるせいか、かなりの重低音ウーハーです。のど元をキュッとしてくれます。

ラベルに使用米とか日本酒度の表記が無いときはネットで調べて記載しているのですが、使用米を調べていると麹米:五百万石、掛米:タカネミノリ、四段米:ヒメノモチとあり、「四段米」ってなに?という疑問にぶち当たってしまった。米の名前を調べていただけなのに…。

四段米とは!

四段米を調べるに当たり新たな謎が出てきました。その言葉が「四段仕込み」。で、四段仕込みを調べようとすると「三段仕込み」、いや「〇段仕込み」という色んな段階の仕込みがあると言うことが分かる。(面倒くさくなりそうだ!)なのでまずは段仕込みの説明からしなくてはならない。

酒米と水で発酵させた「醪-もろみ-」を搾り日本酒は出来ます。その「醪-もろみ-」を造る工程で、その元となる酒母へ段階に分けて麹と蒸米を加えて行く作業を「段仕込み」と呼ばれるようです。*お酒を造るのに不可欠な作業なのでわざわざネーミングする必要が無いように思われますが、この段階が増えるほど、こだわりのお酒に仕上り、セールスポイントにもなるわけです。「純米吟醸十段仕込み!」となれば「どこまでこだわるねん!飲みたいわぁ〜」となる訳です。おっと話が全然進まない!

三段仕込み3つのチェックポイント!

仕込み作業は3つに分けられ、初添(はつぞえ)、仲添(なかぞえ)、留添(とめぞえ)と呼ばれます。

■初添-はつぞえ-

醪造り最初の工程。仕込みタンクに酒母を移し、少量の麹と米を加えます。発酵を進め、酵母の数を増やしていく作業です。*それぞれ掛米、掛麹と呼ばれます。このお酒で言うと掛米はタカネミノリ、麹米は五百万石となります。

■仲添-なかぞえ-

この工程では初添で加えた米と麹の2倍の量を加え、更に発酵を進めます。*初添と仲添の工程の間に「踊り」と呼ばれる環境に慣らすため、何も加えないで様子を見るだけの日程が存在します。「どう?もうちょっと踊るか?」「いや、まだまだ踊りまくるぜ!まじ卍!」と言うやり取りがあるのだろうか!

■留添-とめぞえ-

仕込みの最終段階のこと。ここでは仲添の更にドン!の2倍!(巨泉のクイズダービー♬)の麹と蒸米と仕込水を投入。この時点で醪は発酵が進んで、20〜25倍ぐらいの容積になってるそうです。この後は温度が上がり過ぎないようタンクの温度調節をしながら発酵をしていきます。3〜4週間で醪は完成。

さあ、ここまでは通常の仕込み作業工程の説明です。「う〜ん、よく分からない!」って方は他にも親切丁寧に説明しているブログもあるので、そちらでご理解してください。

■四段仕込み

基本的には「おまけ」です。もうすでに三段で完成はしているのですが、蔵元が出来上がったものに日本酒度(甘辛度)の微調整をするためのものと思っておいていいでしょう。このお酒で言えば「ヒメノモチ」と呼ばれるもち米を使用し甘みを引き出しているようです。

製造者/花泉酒造 合名会社
精米歩合/65%
使用米/五百万石・タカネミノリ?・ヒメノモチ?
アルコール度数/19度
日本酒度/非表示
酸度/非表示

商品名/花泉 上げ桶直詰め 純米無濾過生原酒

 

◆和牛すじ煮込 玉子落とし

すき焼き風です。甘辛のたれで見た目めっちゃ濃そうですが、意外とあっさり味。白身部分を取ってくれていますが、個人的には入っていても全然オッケーです。どうせ取るならヌルッとしたひもみたいな部分も取って欲しい。個人的には気にしないのですけどね ♫ このヌルッとしたヒモみたいなものは「カラザ」と呼ばれる部分で卵黄部分を外部からの衝撃から守る役割があるそうです。だから、箸とかでなかなか取れない!お店などではわざわざ取るようですが、この「カラザ」には最近の研究で抗がん物質が含まれていることが実証されているそうです。出来れば取り除かずにそのままいただこう!