鶏はらみタレ焼と大治郎

◆鶏のはらみとは

牛ハラミは牛の横隔膜の部分、まあ横隔膜と聞いても場所は分からないのですがね(笑)。まあ美味しい部位ってことだけは理解しています。一番好きかもしれません。で、鶏のハラミも横隔膜と言いたいのですが、鶏には横隔膜が無いんですって!(←どうやって呼吸をしているのだろう?)調べてみると胸腹壁(腹筋のあたり)だそうです。って鶏の腹筋でどこなの?要するにお腹あたりってことです。1羽の鶏から5gくらいしか取れない希少な部位で、取り出すのにも手間がかかり、一般の精肉店ではほとんど取り扱っていないらしい。「幻の鶏肉」と言われているそうですが、いつも行くお店では常に置いてくれていたので希少なものとは思わなかった!(そんなに高くもないし…。)

◆大治郎 山田錦 純米吟醸生酒 「迷酒-まよいみず-」

それにしても大治郎はすごいお酒ですね。いやここは畑酒造さんを褒めるべきか!このお酒が世に生み出されてからほとんど同じ状態で醸造されている。四季醸造(通年販売されているお酒)で、「無濾過生原酒」なのに!これはすごい事だと思うんですけど、本当!(ちなみに「よび酒」と呼ばれる火入れをしたものもあります。こちらは火入れをする事で味をコントロール出来るのですが…。)管理能力が優れているんでしょうね!もちろん畑酒造さんだけが頑張ってもだめで、毎年、きちんとおいしい酒米を育てている「吞百笑の会」の人たちも誉めるべきでしょう。(←上から目線ですみません)

常に美味しいんです。変わらない美味しさって良いですよね♩なので感想はいつも同じになる。はずなのに吞むたびに印象が変わったりする。たぶん飲み手の気分や体調も影響しているんでしょうね!だから「あれ?今日の大治郎あっさりしてるぞ!」って感じたり、「めっちゃ辛くなってる!」「何?甘いやん!」って。これ自分の気分が出ているんでしょう!もちろん「最初」「真ん中」「残り」で味も変わってくるんですけどね ♪

今回のお味の感想です。香りを嗅いでみる、ほのかな甘みを感じるフルーティってやつです。(おっ今日は鼻の調子が良いみたい!)飲み口はガツッと五臓六腑に染み渡る重厚でしっかりした辛口酒です。*やはり一杯目はからだが慣れていないのでアルコールが染み渡りますね。(ウォーミングアップにビールを飲んでおくべきです。)芳醇で丸みもあるのですが、酸味はもちろん、苦み・渋みが舌の奥の方で現れては去って行き、さわやかな辛さを余韻に残して行きます。好きな味です。毎日吞んでも飽きない美味さです。

醸造元/畑酒造 有限会社
精米歩合/55%
使用米/滋賀県産山田錦100%
アルコール度数/17.5度
日本酒度/+4.0
酸度/2.0

商品名/大治郎 山田錦 純米吟醸生酒 迷酒

篠峯 愛山 純米 無濾過生原酒

篠峯らしいお酒です。いや、千代酒造らしいと言うべきかな。洗練された酸味と愛山米ならではのしっかり感と上品な甘みがバランス良く味わえるお酒になっています。篠峯らしい細やかなピチピチ感も楽しめます。香りはあまり無かったような…。ただ微発泡感があるせいか、さわやかなマスカット的なものを感じた…気がする。口開け時とは違い瑞々しさの中にもしっかりとした旨み・甘みが口の中に広がります。その後に酸の波がやってきてのど元をキレて行きます。青っぽさや渋みはほとんど消えてました。こういう変化を楽しめるのも良いですね。

山田錦より粒が大きく、穂の背が高いため倒れやすく、栽培が難しく、一部の酒造しか手に入らなかった酒米「愛山米」。その兵庫県産の愛山米を66%精白。酒質が一番いいとされる「中取り」部分のみを瓶詰めしています。どおりで美味しい訳です。

醸造元/千代酒造 株式会社
精米歩合/66%
使用米/兵庫県産愛山米100%
アルコール度数/16度
日本酒度/+5.0
酸度/2.1

商品名/篠峯 愛山 純米 中取り 無濾過生原酒

クエ花わさびとローストビーフ葱ソース

まさか幻の魚「クエ」が食べられるなんて!刺身で食べたかったが今回は「漬け」で花わさびと漬けたものを頂きました。分厚く切っていることもあり、食べ応えのあるもっちり感に花わさびのツーンとした辛味がひとつになってさっぱりと頂けます。さらにしっかり噛んでいると旨みと甘みがジュワーと口の中に広がっていきます。これはクエの脂がにじみ出ているのだろう。絶品です。ああ刺身で食べたかったぁ!でも漬けにしてもクエの存在感が出ているのはやはり幻の魚と言わしめるのだろう。

ローストビーフは赤身部分ですが、ジューシーで噛めば噛むほど肉の旨みと甘みがにじみ出てくる。単品だけでも美味いのですが、その上にピリッと辛味のネギソース。相対的でありながら口の中でみごとにマッチして行くのが楽しめる。もちろん辛味葱ソースだけをちびちびつまみながらお酒を飲むのも良しです。

◆松の寿 純米吟醸 “ひとごこち” 無濾過生原酒

硬度2の超軟水「高原山麓自家湧水」を仕込水として使用しているそうです。おーそれはすごい!と言いたいが、よく分からない。とにかく、柔らかく透明感のある酒質になっているようです。やっぱり軟水を使えばお酒も柔らかくなるのですね。

では個人的な感想と行きましょう。香りはほどほどの吟醸香。口に含んだ時の刺激は無かった。とろ〜んとした印象です。これが柔らかいって表現なのですね。無濾過生原酒だからもっと濃厚な重みを感じられるのかと思ったのですが…。アルコール度数も結構あるのですが…。これが「超軟水」パワーなのでしょうか。でも甘みと旨みのバランスは良いです。飲み終わりの、のど越しには酸によるキレはあります。飲み終わった感想はマイルドフレッシュって感じかな。*物足りないってわけでないのですよ、こういう優しさを追求したお酒も面白いなぁと思う今日この頃でした。

醸造元/株式会社 松井酒造店
精米歩合/55%
使用米/ひとごこち100%
アルコール度数/17〜18度
日本酒度/+3.0
酸度/1.75

商品名/松の寿 純米吟醸 無濾過生原酒

浦霞-うらかすみ- 純米生酒

本生とは?

ビールなら「本生」「極生」「生搾り」「純生」「新生3」「ぐびなま」と色んな呼び名の〈生〉がありますが、実は全部同じ〈生〉なのです。つまりは「非熱処理」されたものが〈生〉ビールなのです。各社で呼び名を変えているだけなのです。もちろん、瓶でも缶でもサーバーでも〈生〉はおなじ「非熱処理」ビールなのです。では日本酒の「本生」ってなんなん?って話なのですが…。日本酒には大きく「生貯蔵」「生詰め」「本生」と分けてみましょう。要は漢字が表している通りなんですよね。

◆生貯蔵 / 搾って貯蔵している間は〈生〉の状態ですが、瓶に詰める前に〈熱処理〉をして菌による味や香りが落ちないように調節していることです。
【搾り】→→→→→→→【貯蔵】→〈火入れ〉→【瓶詰め】

 

◆生詰め / 搾ったものをタンクに貯蔵する時に〈熱処理〉をして低温貯蔵で寝かし、いい頃合いに瓶詰めして出荷する方法。
【搾り】→〈火入れ〉→【貯蔵】→→→→→→→【瓶詰め】

 

◆本 生 / 正真正銘、搾ったお酒をそのまま低温貯蔵で管理しながら一度も〈熱処理〉をせずに瓶に詰めて出荷します。高度な管理技術(設備)が必要となります。
【搾り】→→→→→→→【貯蔵】→→→→→→→【瓶詰め】

 

◆通常の日本酒
【搾り】→〈火入れ〉→【貯蔵】→〈火入れ〉→【瓶詰め】

*〈火入れ〉していないものが「本生」「生酒」と呼ばれるものになります。〈火入れ〉したもが質が落ちるって事ではないです。例えるなら「魚」。刺身も美味しいけど、焼き魚や煮魚、それぞれ合った調理をすれば美味しく頂けるって事です。

そして今時、珍しくシンプルでスタンダードなラベルの「浦霞 純米生酒」。なんか一足先に初夏を迎えたような瑞々しく爽やかな純米酒です。甘系フルーティの香りとすっきりした甘みとプチプチ弾ける口当たり。純米らしい米の旨味と清涼系あふれる酸味のバランスが良く調和して爽やかさを引き出している。もうフレッシュジュースです。

醸造元/株式会社 佐浦
精米歩合/65%
使用米/宮城県産まなむすめ100%
アルコール度数/17度
日本酒度/+1.0
酸度/1.0

商品名/浦霞 純米生酒

「いぬいしんいち」再び。

日本酒度が+15とかなりの辛口。まあラベルに「超辛口」と書いてあるので言わなくても分かるのですが、香りはほんのり香る程度です。飲み口はドライなのかと思いきや「一回火入れ」されているおかげなのか、意外と甘み・旨みのバランスがよく、落ち着いた味わいです。辛いだけのお酒ではありません。どんな肴でもかかってこーい!ってやつです。

おっと、自己紹介がまだでしたね。私の名前は「いぬいしんいち」です。飲み屋さんや酒屋さんで見つけたら大きな声で注文して下さい。「いぬいしんいちさんを下さーい!」って。

製造場/有限会社 大沼酒造店
精米歩合/50%
使用米/美山錦100%
アルコール度数/17度
日本酒度/+14.0〜15.0
酸度/1.8

商品名/乾坤一 超辛口 純米吟醸原酒 一火入

◆もち豚軟骨トロトロ煮

沖縄で言うところの「軟骨ソーキ」。「軟骨」と言ってももうトロトロなので唇でかみ切れます。本当ならビールなんですけど、超辛口の「いぬいしんいち」さんならピッタリ合う肴です。

Takachiyo 59 CHAPTER FOUR “HANAFUBUKI”

2018年も「ゴクタカ(59極taka)」シリーズがやって来ました。ってもう「CHAPTER FOUR」まで進んでいるのですが…。まあ、毎日飲み屋に行ってるわけでは無いので仕方がない。お店もすべての「ゴクタカ」シリーズを置いている訳ではないので、どうしても飲みたければ自ら一本買いをしないといけない…もちろん出来ない!で、頂いたのは第4弾「Takachiyo 59 HANAFUBUKI」です。青森の酒米「華吹雪」を扁平精米59%まで磨いたものを使って純米吟醸で醸造された生原酒。「扁平精米」については以前の「Takachiyo 59 AI-IPPON」でちょこっと書いていますので是非。要するに「お米の美味しいところだけ残す削り方」って事です。それでは感想をちょこっとだけ。

最初にフレッシュで華やかな香りあり。でも一口目に旨みの中に苦みが顔をのぞかせる。嫌いではないが「ゴクタカ」シリーズでは初めてかも知れない。過去に飲んだものは旨みが勝つような口当たりなのですが…。2口目は少し口の中で転がしてみた。口の中が慣れたのか旨みがどんどん前にやって来た。このお酒は冷やしすぎないほうが良さそうです。よくお米の旨みの余韻を引き出すのは苦みや渋みだと聞いたことがある。この「HANAFUBUKI」はまさしくそれなのだと思った。あとに尾を引く「旨み」なのです。もちろんのど越しもしっかりと強めの刺激ある「キレ」が鼻へと抜けて行きます。どんどん好きになる美味しさです。口開けを頂いたが2日目、3日目くらいが一番美味しくなるのではないでしょうか?(無くならなければの話ですが…。)

*暖色系の照明の下で撮っているのラベルがオレンジ色っぽくなっていますが、どピンクです。メタリック・ど・ピンクです。今年は何杯「Takachiyo 59」シリーズ飲むことが出来るのでしょうか!頑張ります!!

製造元/高千代酒造 株式会社
精米歩合/扁平精米59%
使用米/青森県産 華吹雪100%
アルコール度数/16度
日本酒度/+2.0
酸度/1.5

商品名/Takachiyo 59 CHAPTER FOUR HANAFUBUKI 純米吟醸生原酒

 

◆国産たけのこと手羽の山椒煮(仮)

それはもうしっかり煮込まれており、鶏は骨からほろほろとほぐれていきます。手羽先の先までキレイに食べれます。山椒のピリッとした味付けが食欲を刺激していくらでも食べれてしまいます。「Takachiyo 59」に合うかどうかは別にして絶品です。あとに残るのは骨のみです。ここで一句

「煮た鶏の ほろほろと崩す 身を食せば 父かとぞ思ふ 母かとぞ思ふ」by 行基